婦人服・靴・アクセサリー小売り大手のタルボッツ(NYSE:TLB) は6日、同業のJジル・グループ(Nasdaq:JILL)を総額約5億1700万ドルで買収することで合意したと発表した。
1株当たりの買値は24.05ドルで全額現金。これはJジル株の3日終値(19.20ドル)に25%のプレミアムを上乗せした水準。タルボッツは、新しい4億ドルの与信枠から資金を引き出すほか、手元現金を充てるなどして買収資金を調達するとした。
買収手続きはJジル株主と独禁当局の承認を経て、今年第2四半期の完了を見込んでいる。タルボッツは2007年1月期から利益に寄与すると見込む。
今回の買収により、女性向けアパレル小売りの老舗ブランド2つがひとつになることになる。タルボッツにこれ以上成長の余地があるのかというアナリストの疑問に答えを与える助けとなるかもしれない。
マサチューセッツ州ヒンガムに本社を置くタルボッツは国内を中心に1100近くの店舗を展開している。同社が先週、2006年1月期の売上高は前期比7%増加したと発表。既存店売上高は同2.6%の伸びにとどまった。
一方、Jジルは過去2年間にわたって業績不振に苦しんできた。同社は先月、10-12月期の既存店売上高が前年同期比3%減少し、従来予想を下回る見通しだと発表した。
Jジルは1999年に店舗を開設しはじめるまでカタログ通販を中心に事業を展開してきた。タルボッツによる買収後も、「Jジル」のブランド名をそのまま利用し、マサチューセッツ州クインシーに引き続き本社を置く予定。
Jジルの株価は、米アパレル大手のリズ・クレイボーン(NYSE:LIZ)が昨年11月に買収提案した当時、12ドルをやや上回る水準で推移していた。クレイボーンは1株当たり18ドルの買値を提示したが、Jジルは不十分としてこれを拒否。投資銀行ピーターJソロモンと法律事務所カークランド・アンド・エリスとフォーリー・ホーグに依頼して、身売り先を募っていた。
事情に詳しい関係者によると、クレイボーンは身売り先の最終候補に残っていたという。しかし、買収価格の引き上げを見送り、最終合意には至らなかった。ポール・シャロン会長兼最高経営責任者(CEO)は6日発表の声明の中で、「当社の株主にとって理にかなうような価格でJジルを買収できなかったことは残念だ」とコメント。「しかし、当社の財務規律は厳しく、必要以上の金額は支払わない」と述べた。
タルボッツとJジルの組み合わせは素晴らしいものとなる可能性がある。両社の製品のデザインは、異なる顧客層をターゲットとしていることがはっきりと分かるくらい違う。その一方で、高所得層をターゲットとしている点では同一であるため、ショッピングモールでも同じゾーンに配置されている。タルボッツ製品はクラシックなデザインでしっかりした仕立てが特徴。一方、Jジル製品はよりカジュアルでコンテンポラリーなデザインとなっている。
今回の取引で、メリルリンチがタルボッツの、ピーターJソロモンがJジルの財務アドバイザーを務めた。