米ヒューレット・パッカード(HP)(NYSE:HPQ)は、携帯端末事業をノートブックコンピューター事業から切り離す形での事業再編を実施する。これは、マーク・ハード最高経営責任者(CEO)が昨年12月に発表した成長戦略実現に向けた最初の一手のひとつとなる。
13日発表予定の事業再編計画は、「スマートフォン(多機能携帯電話)」市場の成長にHPが乗じることができるようにする狙いがある。HPは過去数年間にわたって、携帯型情報端末やスマートフォンの製造に携わってきた。ただ、今までは、携帯端末事業への注目度は同社のその他事業ほど高くなく、投資額も比較的小さかった。
しかし、HPは現在、昨年CEOに就任したハード氏のもと、携帯端末事業に重点的に取り組んでいる。モバイルコンピューティング部門担当上級副社長のテッド・クラーク氏は「(携帯端末業界では)スマートフォンの受注台数が前年比50%増のペースで拡大している」と同市場の可能性の大きさについて語った。
HPは新たに独立させる携帯端末事業のトップとして、ライバルのサン・マイクロシステムズ(Nasdaq:SUNW)からデーブ・ロスチャイルド氏(47)を迎え入れた。
ロスチャイルド氏は、パーソナル・システムズ・グループ担当上級副社長を務めるテッド・ブラッドレー氏の直属として、13日から勤務を開始する。過去数年間にわたって、携帯端末事業を含んだノートブックコンピューティング部門を率いてきたブラッドレー氏は事業再編後も引き続き、単独型のノートブックコンピューティング事業を統括することになる。
HPへの移籍前は、サンのサービス部門でコーポレート・ディベロプメント上級ディレクターを務めていたロスチャイルド氏は、同じくサンの携帯システム部門でエンジニアリング・ディレクターを務めた経歴も持つ。
今回の取材でロスチャイルド氏からはコメントを得られなかった。
今回の事業再編は、プリンター、サーバー、ストレージ(外部記憶装置)、パソコンなど幅広い製品群を擁し、年間800億ドル以上売り上げる巨大ハイテク企業であるHPに対しハードCEOが抱く成長戦略の一環。ハード氏はCEOに就任以来、製品ラインに沿った形で、数多くの事業の合理化を推進してきた。
同CEOは昨年12月に開催されたウォール街のアナリストとの初会合で、高画質・デジタル印刷、データセンター、モバイルコンピューティングといった市場トレンドで利益を得るにあたり、HPは最も有利な位置にあるとの見方を示した。
今回の事業再編は、携帯端末部門とノートブックコンピューティング部門がそれぞれ、財務面でも経営面でも単独で管理できる裁量を大きくするためのものでもある。
HPは同じく13日、新しいスマートフォン「HP iPAQ hw6900」を発売する。この新製品は通話や電子メールなど従来機能に加え、インターネットやGPSなどの新機能を兼ね備えている。