WSJ-英キャドベリー、蒸し返された買収話の行方

英菓子・飲料大手キャドベリー・シュウェップス(NYSE:CSG)は、買収の標的だという話が蒸し返され、今週は大きな出来高を伴って上昇した。

話のあおり役になったのは米シティグループ(NYSE:C)だ。14日に買い手候補として、前にも名前が漏れていた大手菓子メーカーの米ハーシー・フーズ(NYSE:HSY) を挙げ、調査リポートを14日に配った。シティはキャドベリーの株価目標を従来の565ペンスから620ペンスに上方修正し、投資判断を「ホールド」から「バイ」に引き上げた。15日のキャドベリーのロンドン市場終値は9.5ペンス、1.7%高の564.50ペンスだった。今週は3.9%値を上げた。

確かに、キャドベリーは買収目標とするだけの魅力がある。かつては英国のつまらない製菓会社だったが、同社最高経営責任者(CEO)が近年、売り上げ成長率の高い製品に注力して、会社を回復に導いたためだ。また、食品業界が全体として統合に向け機が熟してきたという背景も加わる。

たった一つ問題なのはどこが買うかということだ。だから、キャドベリーの買収話で手早く稼ごうとした人々は当てがはずれたという結果になるかもしれない。しかし、長期的な観点からは、魅力があると判断する投資家はまだまだたくさん残っている。

理屈で考えて、キャドベリーのパートナーとなっておかしくないとみられる会社はどこも、問題を抱えており、そのため、問題は複雑化し、買収がすぐ実現することは困難となる。

ハーシーの所有関係は複雑で、ネスレは独占禁止問題を起こすかもしれず、食品大手クラフト・フーズ(NYSE:KFT)は、親会社、たばこ・食品大手の米アルトリア・グループ(NYSE:MO)からの分離・独立を待っている段階だ。それに、買い手ならどこであれ。考えなくてはならない問題が、キャドベリーの米国飲料事業をどうするかということだ

キャドベリーは製菓で世界最大手、飲料では米コカ・コーラ(NYSE:KO)、ペプシコ(NYSE:PEP)に次いで3位。ドクターペッパーやセブン・アップなどのブランドを展開している。2004年の売上高は67億4000万ポンド(117億1000万ドル)だ。時価総額は114億ボンドだが、どんな買い手候補が出てきたとしても、買い値がこの程度で収まることはないだろう。

買い手候補に名前を挙げられたハーシーはかつて、買収先を探すことになるかもしれないと明らかにしたことがある。ハーシーが米国中心に展開するチョコレート事業は、キャドベリーが世界で展開するガム事業や、欧州や新興市場で展開しているチョコレート事業とぴったり合う。

しかし、ハーシーの経営権を持つのは信託だ。キャドベリーはネスレと共同でハーシー買収を提案したことがある。ハーシーの信託は拒否の方に議決権を行使した。しかし、たとえその信託が、新しい買収を支持する側に回ったとしても、キャドベリーの会社規模がひどく難しい問題になる。ハーシーには飲料事業は不要かもしれない、とハーシーの戦略をよく知る関係筋は漏らす。

食品世界最大手のネスレはどうかとなると、自社のチョコレート事業があるため、英、仏、豪、カナダなど、多くの国々で独占禁止法上の問題を引き起こすおそれがある。

クラフトも、今年後半とみられる親会社からの分離独立が終わるまでは、大型買収はどのようなものであれ計画していない、と関係筋はいう。それまでは、クラフトが買収するケースは、買収があったとしてもすべて現金で行う取引だけとなる。クラフトの株式が関係すれば、アルトリア保有のクラフト株式を希薄化させるからだ。

ハーシー、ネスレ、クラフトの各社はコメントを差し控えた。

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