クレジットカード大手の米マスターカード・インターナショナルは、1-3月期に予定していた新規株式公開(IPO)を4-6月期に延期した。16日に証券取引委員会(SEC)に提出した書類で明らかになった。
この書類によると、ロバート・セランダー最高経営責任者(CEO、54)は、株主にあてた同日付の書簡で「最近、初期の前立腺がんであると診断された」としている。
ウォール・ストリート・ジャーナルは先週、「マスターカードはIPOを延期する公算が大きい」と報じたが、理由は判明していなかった。
同氏は「通常業務には復帰したが、今後数カ月は、投資家説明会など予定の詰まった旅行は避けるように言われている」としている。現在は自宅で業務にあたっており、職場に戻るのは3月前半の見通しだという。同氏は1997年からCEOを務めている。
マスターカードは現在、金融機関1400社が株式を保有しており、世界的な決済ネットワークを形成している。同社自身はクレジットカードやデビットカードを発行せず、カードの規定を設け、カードを発行する金融機関がこれに従っている。
同社は昨年9月、株式49%を公開する計画を発表した。この時点で想定していた公開価格に基づくと、同社の資産価値は約80億ドルになるとみられる。
同社と、同業のビザUSA(非公開)は、銀行が加盟店に課す手数料にかかわる訴訟を相次いで提起されている。この手数料は「インターチェンジ」と呼ばれ、両社が設定している。
複数の消費者団体は15日、連邦議会の小委員会に、この手数料が市場の競争を阻害しないよう、インターチェンジの規制を検討するよう申し入れた。訴訟では、原告の加盟店側が、「銀行とマスターカードやビザが共謀してインターチェンジを設定している」と主張している。
一方、両社と銀行は、「消費者はカードを利用したほうが支出額が大きくなる傾向にあることなどから、加盟店は消費者のカード利用を受け入れることで恩恵を受けている」として、インターチェンジの意義を主張している。