著名投資家カール・アイカーン氏は、メディア大手タイム・ワーナー(NYSE:TWX)の経営権取得を断念し、同社と和解する可能性を示唆している。
アイカーン氏の計画に詳しい人物数人によると、同氏が間もなく提出するとみられるタイム・ワーナー取締役候補者名簿には、5人しか記載されていないという。同社の取締役会は14人で構成しているため、アイカーン氏が経営権を握るためには5人では足りない。同氏は以前、14人全員を推薦する方針を示していた。
アイカーン氏が推薦するのは、オンライン・ディスカウント証券大手チャールズ・シュワブに買収されたUSトラストの元会長アラン・ウェーバー氏、ヒューレット・パッカード(HP)(NYSE:HPQ)傘下の電子決済システム開発会社ベリフォンの幹部であるダグ・バージェロン氏、米教職員保険年金連合会・大学退職株式基金(TIAA-CREF)幹部だったピーター・クラップマン氏、カリフォルニア州公務員退職年金基金(カルパース)の理事長だったデール・ハンソン氏、娯楽企業の幹部を長く務めたフランク・ビオンディ氏の5人。アイカーン氏は、ビオンディ氏をタイム・ワーナー会長に推薦する予定だ。
売上高、時価総額とも世界最大のメディア企業であるタイム・ワーナーの経営権取得を目指し、アイカーン氏は昨年後半、委任状争奪戦を始めた。同氏とその仲間は、「タイム・ワーナー株は過小評価されており、経営陣が誤ったかじ取りをしている」と主張してきた。
このキャンペーンは今月に入り最高潮に達した。同氏率いる投資会社のアドバイザーである投資銀行ラザード(NYSE:LAZ)傘下のラザード・フレールが長編のリポートを発表し、タイム・ワーナーの分割を迫った。だがここ数日、同社の経営権を握ろうとするアイカーン氏の勢いに陰りがみられ、同氏は態度を軟化させている。
関係筋によると、多くの主要株主はアイカーン氏に、「タイム・ワーナーは株価を押し上げるための努力が足りないとの見方では一致しているものの、同氏が主張している同社分割計画は賢明な解決策ではない」との考えを伝えた。これらの株主はさらに、アイカーン氏のこれまでのキャンペーンが同社の経営を混乱させていると批判した。
同氏は昨年8月に同社の経営改革を迫るキャンペーンを始めて以来、厳しい提案を突きつけ、「リチャード・パーソンズ最高経営責任者(CEO)は経営者としての資質に欠ける」と非難してきた。だがここ数日は融和的になってきた。
過去の委任状争奪戦におけるアイカーン氏の風変わりな態度は有名だ。だがこれまでの行動から、同氏が攻撃対象の企業との和解を好むことも明らかになっている。