WSJ-デルファイ、労働協約破棄の申請を延期

自動車部品大手の米デルファイ(DPHIQ)は17日、6つの労働組合との労働協約破棄についての破産裁判所への申し立てを延期すると発表した。延期は3回目。新たな期限は3月31日とし、これらの労組や元親会社ゼネラル・モーターズ(NYSE:GM)との複雑な交渉での合意を目指す。

昨年10月に連邦破産法11条の適用を申請したデルファイは、17日に破産裁判所に各労組との労働協約の破棄を申し立てる予定だった。同時に、同社から年間約140億ドル相当の部品を購入しているGMをはじめとする顧客企業との契約の一部についても破棄を申し立てる可能性があった。

デルファイはさらに、米国部門の事業再構築計画も明らかにするとみられていた。

だがこうした申し立てを延期したことで、デルファイは全米自動車労組(UAW)やGMに、合意に向けて検討するための猶予を与えたことになる。UAW幹部が警告していた、デルファイでのストライキを回避することにもなる。GMは、昨年の86億ドルに上る赤字を克服するために重要な意味を持つ新型車の発売を控えている。ストが発生すれば、GMの生産に大きな打撃となる。

デルファイは破産裁判所に、GMがデルファイに支払う仕入れ代金の引き上げを命じるよう求めるとみられる。だがGMは、「同じ部品を他の部品メーカーから仕入れる場合より20億ドル多く支払っている」としている。

デルファイのロバート・ミラー最高経営責任者(CEO)は、「これまでの各関係者との話し合いは有意義だったが、依然として大きな障害が残っている」と語った。

関係筋によると、年間売上高約280億ドルのデルファイは、既存の労働協約と受注契約を結び直し、6月30日までに発効させたい考えだ。

労働協約の破棄を申し立てれば、手続きに少なくとも2カ月かかる。破産裁判所のロバート・ドレイン判事は、最終判断を下す前に、まずデルファイ、次いで各労組の主張を聞くことにしている。

ただどの関係者も、暫定的にせよデルファイがこの申し立てをすれば、一部の工場でストが散発し、GMにも影響が及ぶ恐れがあると懸念している。メリルリンチのアナリスト、ジョン・マーフィー氏は最近の投資家向けリポートで「GMは部品の4分の1近くをデルファイから調達しており、デルファイでストが発生すれば最初の60日間でGMの損失は最大80億ドルに達する恐れがある」との見方を示している。

GM、デルファイ、UAWは、GMが費用を負担してデルファイ従業員の早期退職を勧奨する、あるいは、GMがデルファイ従業員を引き受ける余地を作るためにGMが費用を負担してGM従業員の早期退職を勧奨する、などの方法を検討している。

デルファイのミラーCEOは、「米国の時間給労働者の時給は諸手当も含め約65ドルで、これでは競争力がない」として、UAWに時給の60%削減を持ちかけたが、UAWはこれを拒否した。

UAWのロン・ゲトルフィンガー委員長とリチャード・シューメーカー副委員長は、デルファイの努力を評価しながらも、「大きな問題が残っている」とした。

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