WSJ-グーグル、慈善部門トップにラリー・ブリリアント氏を任命

米インターネット検索大手のグーグル(Nasdaq:GOOG)は22日、同社の慈善部門「Google.org」のトップに公衆衛生と情報技術(IT)の両面で幅広い経験を持つラリー・ブリリアント氏(61)を任命したと発表した。

今回の発表で、グーグルが長期間にわたって続けてきた「Google.org」のエグゼクティブ・ディレクター採用に向けての活動が終わったことになる。

グーグルの慈善プログラム「Google.org」は非営利団体のみならず社会的貢献の意志を持った組織であれば営利団体に対しても資金を提供している。同社は年間利益の1%および株式の1%(現金換算で約10億ドル相当)を同プログラムの予算に振り向けるよう約束している。

グーグルが慈善プログラム設立計画について初めて明かしたのは新規株式公開(IPO)を実施した2004年。翌05年に「Google.org」の概要を発表した。同社は、外部組織に資金提供するだけでなく、「Google.org」事体が貧困・エネルギー・環境問題を対象とした事業を運営することも検討しているという。

ブリリアント氏は「Google.org」のエグゼクティブ・ディレクター就任後も、自ら1979年に立ち上げたセバ基金の代表を引き続き務める。カリフォルニア州バークレーに拠点を置く同基金は、開発途上国の視覚障害者を対象に医療活動を行っている。

ブリリアント氏は、非営利の公衆衛生と民間のIT事業の両方で深い経験を持つ。1970年代にはインドで天然痘撲滅活動に参加。2001年に米同時多発テロが発生した後は、政府機関の米疾病予防管理センター(CDC)でバイオテロリズム(生物テロ)を専門とするコンサルタントを務めた。民間IT事業では、インテル(NYSE:INTC)、IBM(NYSE:IBM)、旧AT&Tで組織する無線合弁事業「コメタ・ネットワークス」の最高経営責任者(CEO)を務めた経験もある。コメタは03年に解散した。

グーグルは、ブリリアント氏が持つ公衆衛生とテクノロジー両方での経験が、同氏を「Google.org」トップに選出するカギとなったとコメント。「世界を変えたいという情熱を持っている人間はたくさんいるが、世界を変える能力を持っていることが証明されている人間はあまりいない」と、国際オンライン販売営業担当副社長のシェリル・サンドバーグ氏は述べた。

同社は、ブリリアント氏の報酬についてはコメントに応じなかった。

ブリリアント氏は、「Google.org」で公衆衛生への取り組みを強化するとコメント。「世界の公衆衛生問題を克服することなくして、貧困問題を解消することは出来ない」との考えを示した。

同氏はまた、グーグル入社のきっかけとなったのは、「悪事を働くことなかれ」(Don’t be evil)というグーグルの社訓だとコメント。「良いことを行い、悪いことをしないという意識の道筋をたどって事業を立ち上げている企業をほかに探すのはとても難しい」と述べた。

ブリリアント氏はインドの僧院で瞑想をしていた時、天然痘の撲滅に取り組めとのお告げを受けたという。また、ロックバンド「グレートフルデッド」の医師を務めた経験もあり、毛色の変わった経歴を持つブリリアント氏はグーグルの社風に合ったといえよう。

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