松下電器産業は23日、中村邦夫社長(66)が代表権のある会長に就任し、大坪文雄専務(60)が社長に昇格する人事を発表した。森下洋一会長(71)は相談役に退く。6月末の株主総会後の取締役会で正式に決める。
大阪市内で会見した中村社長は「目標としていた06年度の売上高営業利益率5%に目途が立った」と社長交代の理由を説明した。10人の死傷者を出した温風機事故の引責との見方に対しては、「役員処分などでけじめはつける。社長交代とは関係ない」と否定した。
中村社長は00年6月に就任。IT(情報技術)バブル崩壊に伴う販売不振などから02年3月期に4310億円の最終赤字に陥ったが、「破壊と創造」をスローガンに掲げて人員削減やグループ事業の再編などに手腕を振るい、経営危機からの「V字回復」を成し遂げた。
大坪氏は、オーディオ事業部長や社内分社パナソニックAVCネットワークス社社長などAV(音響映像)部門のトップを歴任。プラズマテレビなどのデジタル家電で高い収益構造を確立した。
また、中村社長は同日、温風機事故に絡む社内処分を発表した。中村社長を5カ月間20%の減俸、家電担当の林義孝専務と品質担当の大鶴英嗣常務をそれぞれ23日付で取締役に降格した。林氏は6月末に取締役も退く。
▽大坪文雄氏(おおつぼ・ふみお)関西大工院修了。71年松下電器産業入社。常務を経て03年6月から専務。大阪府出身。