<デビアス>「ダイヤ支配」に終止符? 独占契約撤廃で

宝石用ダイヤモンド世界最大手、デビアス(南アフリカ)の1世紀を超す「ダイヤ支配」に終止符が打たれる可能性が出てきた。09年から、同世界2位のアルロサ(ロシア)の輸出用ダイヤ原石の過半を購入する独占的な契約を撤廃するためだ。かねて独占状態を警告してきた欧州連合(EU)は「ダイヤ価格が下がる」と歓迎するが、デビアスは新しい鉱山に巨額の投資をして原石市場での圧倒的な影響力を維持する方針で、「独占は解消されない」との声も出ている。
 ◇欧州委「価格が下がる」と歓迎
 04年のダイヤ市場は、原石120億ドル、宝石が600億ドル(約7兆円)に上る。EUの欧州委によると、デビアスは原石市場の4割超(4900万カラット)を自社鉱山で生産し、そのうえアルロサの輸出ダイヤの過半を買い占めることで、原石市場の約6割を支配している。
 これまで、デビアスのオッペンハイマー会長は「ダイヤの高い価格は、消費者の満足感に支えられている」と発言していた。しかし、欧州委は01年以降、独占的地位の乱用と警告。米国も独禁法に触れるとして、04年までは、デビアスが消費者に直販することを禁じていた。
 デビアスは1888年に南アに設立され、親会社の金属鉱山、英アングロ・アメリカンと並んで「英国の領土拡大とともに成長した企業」(英系銀行)と評された。かつては世界の9割もの原石を押さえた力を背景に、デビアスは現在も、自らが選んだ卸会社に自らが決めた価格で原石を売る手法を続けている。
 「婚約指輪は給料の3カ月分」というキャッチコピーもデビアスによるもので、最近では、原石だけでなく、加工されたダイヤを、米国や日本で消費者に直接販売することに力を入れていた。
 アルロサとの契約破棄で、デビアスが原石市場に及ぼしてきた圧倒的な支配力は、当面手放される見通しだ。一方で、デビアスは南アなどの新鉱山に約20億ドルを投資する方針だ。このため、「そもそもアルロサとの契約撤廃は採算に問題があったためだ。新鉱山から原石を調達できるようになれば、デビアスの価格支配は続く」(英バーナード・ジェイコブ投資会社のピーター・デイビー氏)との見方も根強い。

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