WSJ-英ナショナル・グリッド、米キースパン買収で合意

英エネルギー供給大手ナショナル・グリッド(NYSE:NGG)は27日、同業の米キースパン(NYSE:KSE)を73億ドルで買収し債務も引き継ぐことで合意した。買収手続きは来年前半に完了する見通し。

ナショナル・グリッドによると、キースパン株主は同社株1株につき現金42ドルを受け取る。ナショナル・グリッドはさらにキースパンの45億ドルとみられる債務を引き継ぐ。キースパン株の24日終値は前日比32セント高の41.41ドルだった。27日終値は、前週末比0.65ドル(1.57%)安の40.76ドル。

ナショナル・グリッドは、この買収により年間2億ドルの経費節減になるとしている。

同社の米部門であるナショナル・グリッドUSAのマイケル・ジェサニス社長兼最高経営責任者(CEO)は現職にとどまる。キースパンのボブ・カテル会長兼CEOは、ナショナル・グリッドの取締役に就任し、副会長となる。さらにナショナル・グリッドUSAの会長に就任するという。

キースパンは米北東部最大規模のガス供給会社で、260万を超える世帯に天然ガスを供給している。ニューヨーク市、ロングアイランド、ニューイングランドでの利益は同社の利益の3分の2を占める。さらに6600メガワットの発電施設があり、ニューヨーク州最大規模の発電会社でもある。

同社は3月3日に10-12月期決算を発表する予定だが、電話会見は取りやめるとウェブサイトで明らかにした。

3年前に設立されたナショナル・グリッドは、英国で送電施設とガスパイプラインを運営している。天然ガス事業を通じ、米北東部での事業規模を拡大したい考え。現在は米4州の子会社を通じ、300万世帯にエネルギーを供給している。

米連邦議会が昨夏、大恐慌時代に制定された、ガス会社と電力会社の合併を禁じた法律を70年ぶりに撤廃したため、キースパンは身売りすることが可能になった。

同社は堅調な内部成長を遂げており、営業利益の95%は、規制対象の事業、あるいは契約獲得により堅実なキャッシュフロー(現金収支)を確保している事業から得ている。同社が買収対象として魅力的だったのは、このことが一因になっている。

一部の市場関係者は、同社が買収の標的になりやすかったのと同じくらい、買収する側に回る可能性もあったとみている。同社は最近、増配をしており、利益の約70%を株主に還元している。

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