財政健全化と成長率論争が再燃した1日の経済財政諮問会議で、竹中総務相は、国債金利が名目成長率より高いのは当然だとの議論はおかしいと述べ、「金利はマーケットで決まると言ってしまえば、中央銀行の存在意義が問われる」と主張していたことが6日公表された議事要旨で明らかになった。
竹中総務相はこの日の会議で、名目成長率と長期金利の関係について、米国の事例検証などを引き合いに出して、「国債金利が名目成長率より高いのは当然という議論が一方でなされかけているが、それは違う」と反論。
さらに、「長期金利はマーケットで決まる。しかし、同時に中央銀行は、それに対して影響力を与える。極端に言葉尻をとらえるつもりはないが、金利はマーケットで決まると言ってしまえば、これは中央銀行の存在意義が問われてしまう」と述べた。
「名目成長率を高く、国債金利を低く保つ」ための施策として金融政策の役割を強調する竹中総務相に対して、福井日銀総裁は直接的なコメントは避け、金融政策の王道を指摘。財政再建との関係で言えば、潜在成長力を上げ現実の実質成長として実現させていくことが大事で、そのためには「物価の安定を前提とした景気調整が非常に大事だ。それが実現すれば、長期金利の不規則な変動も最小限にとどめられる」と語っている。
一方、名目成長率と長期金利との関係では、吉川洋東京大学大学院教授が「ご指摘の通り、アメリカだと成長率のほうが少し高くなる。しかしイギリスだと、逆に金利のほうが高くなる。多くの国で長い時系列をとると、国債市場で規制がきつい時期があった。規制金利でそれが低くなっていた時期がかなりある」と説明。「そうした時期を参考にするのは適当でない」と反論した。
竹中総務相の狙いは、内閣府試算より高めの成長率と長期金利の抑制によって、財政健全化のための増税幅を圧縮しようというもの。しかし、日銀が長期金利をコントロールできるという主張に対しては、JPモルガン証券チーフエコノミストの菅野雅明氏など、民間エコノミストの間からも強い違和感を唱える声がが出ている。与謝野経済財政・金融担当相の指摘通り、議事要旨でも竹中総務相の孤立感だけが目立った。