世界64カ国が加盟するアジア開発銀行(ADB、本部マニラ)の黒田東彦総裁が8日、東京・日本記者クラブで講演し、日本や中国を含む東アジア全体の自由貿易協定(FTA)を実現する必要性を指摘した。
黒田総裁は「ASEAN(東南アジア諸国連合)と中国などを含めた東アジア新興経済諸国は、05年に(平均)6%強の経済成長率を達成した。今年もこの基調が継続する」との見通しを示し、「(10%近い成長を続ける)中国が引き続きアジア経済成長の主要なエンジン」と指摘した。
ただ、所得格差拡大などに伴う貧困対策を進め、経済成長を持続させるには地域の経済統合が必要だと強調。「東アジアに存在する多数のFTAを単一の『東アジアFTA』に統合していくことが重要課題。欧州型の奥行きの深い統合を追求すべきだ」と述べた。
また、アジア通貨全体がドルやユーロに対してどう動いているかという為替動向をチェックするため、アジア各国通貨の価値を加重平均した「アジア通貨単位(ACU)」という指標をADBが開発していることも明らかにした。