WSJ-GM、GMACの不動産部門の株式78%を投資グループに売却
米ゼネラル・モーターズ(NYSE:GM)は23日、金融子会社ゼネラル・モーターズ・アクセプタンス(GMAC)の不動産部門であるGMACコマーシャル・ホールディング(GMACCH)の株式78%を、投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)率いる投資グループに売却したと発表した。これによりGMACは約15億ドルの現金を受け取るほか、GMACCHはGMACから借り入れていた73億ドルをGMACに返済した。この結果、GMACは総額約90億ドルの現金を受け取ることになる。GMとGMACは昨年8月、GMACCHの株式60%を売却する計画であるとしていた。
GMACCHの株式を取得した投資グループは、KKRの関連会社、ファイブ・マイル・キャピタル・パートナーズ、ゴールドマン・サックス・グループ(NYSE:GS)傘下のゴールドマン・サックス・キャピタル・パートナーズで構成している。
GMはさらに、GMACの経営権売却について、売却先候補との交渉を続けているとした。
今回、GMACCH株売却に伴いGMACに90億ドルが入ることは、北米自動車部門の立て直しに多額の資金を必要としているGMにとって大きな支援となる。GMとともにGMACの格付けも投資不適格水準に引き下げられている。GMACの広報担当者、ジョアン・クレル氏は「この90億ドルはGMAC内部で使用する」としたが、融資業務の強化やGMへの増配に充てられるとみられる。
英米系格付け会社フィッチ・レーティングスは、投資グループによるGMACCH株取得で誕生する新会社に、直ちに投資適格水準の格付けを付与した。この新会社は、4-6月期に社名を「キャップマーク・ファイナンシャル・グループ」に変更する。
GMは2005年通期決算で106億ドルの赤字となり、リストラ費用捻出(ねんしゅつ)などのために、世界に保有するさまざまな資産の売却を進めている。22日には、同社で働く全米自動車労組(UAW)の全組合員を含む早期退職プログラムで、元子会社の自動車部品大手デルファイ(DPHIQ)、UAWと合意したと発表した。
また最近、保有していた富士重工業(7270.TO)やスズキ(7269.TO)の株式を売却し、手元資金を増やした。
GMはGMAC株の売却も目指している。アナリストは売却金額を最大130億ドルと見積もっている。関係筋によると、複雑な売却計画ではあるが、間もなく結論が出る可能性があるという。
GMはこのほど、GMACの住宅ローン部門であるレジデンシャル・キャピタル(RESCAP)で一部の住宅ローン債権売却の会計上の分類方法に誤りがあったとして、様式10-Kによる05年の年次報告書の提出を延期した。こうした問題があったにもかかわらず、今回のGMACCH株売却が成立したことは、GMにとって朗報だ。同社は31日までに、RESCAP問題にかかわる内部調査を完了し、年次報告書を提出する予定。