WSJ-シェブロン、アルバータ州で新オイルサンド開発プロジェクト

米石油大手シェブロン(NYSE:CVX)がカナダ北部で新たなオイルサンド開発プロジェクトを計画している。アルバータ州フォートマクマレー近郊ではこうした投資が相次いでおり、急速に世界有数の産油地帯に変貌しつつある。

シェブロンは2日、州政府との間で計7万5000エーカーの土地リース契約を交わしたと発表した。同社の推計によると、リース地のオイルサンド中の原油埋蔵量は75億バレル。カナダ部門のジェームズ・ベイツ副社長は、原油回収には地中に水蒸気を注入し、オイルサンドを熱して抽出する「地下採掘法」を採用するとした上で、この方法による回収率は通常20-40%だと述べた。また、「このプロジェクトは多大な機会をもたらす可能性がある」と語り、最終的には生産量が日量10万バレルに達することもあり得る、との見方を示した。

リース契約費用は約7000万カナダドル(約6000万米ドル)。「エルス・リバー」プロジェクトの最も高価な部分だ。ベイツ副社長は、開発期間が10年、費用は「数十億ドル」に上る可能性もある、と述べた。向こう数年間は埋蔵量評価を実施する。オイルサンド事業では、地中から採取した粘性のある原油を精製、ガソリンなどの石油製品に仕上げるために幅広い設備投資を必要とする。特にエネルギーを大量消費する蒸気注入プロセスの運営コストがかなり高くなると予想される。

メジャー(国際石油資本)各社はオイルサンド事業への参加を強く希望している。オイルサンドからの原油抽出は海洋掘削事業よりも費用はかかるものの、国際石油価格の高止まりを背景にオイルサンド事業も魅力的になっている。カナダの安定した政治・経済情勢と資源規模の大きさも投資を呼び込んでいる。

カナダ国家エネルギー委員会(NEB)の技術専門家、ビル・ウォール氏は「実際の投資額は向こう10年間で600億カナダドル規模になると予想している」と語った。ただ、こうした投資は熟練労働者の不足や環境規制、国際石油相場の下落といった要因により抑制される可能性もある。同氏は「石油価格が(1バレル=)35ドルを上回る水準を維持すれば、これらのプロジェクトもかなり割がいいだろう」とコメントした。

エルス・リバー・プロジェクトについては英蘭系メジャーのロイヤル・ダッチ・シェル(NYSE:RDS.A、RDS.B)とカナダのウェスターン・オイル・サンズ(WTO.TO)がそれぞれ20%の権益取得権を保有する。

両社とシェブロンはフォートマクマレーの北約70キロに位置する別のオイルサンド開発プロジェクト「ムスケグ・リバー・マイン」でも提携している。

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