三月決算期末を間近に控え、買収防衛策として安定株主を確保するために、配当を増やす企業が急増しているが、株主優待制度を新設・拡充する企業も増加している。狙いは個人投資家だ。少ない株数では、配当よりも株主優待のほうがメリットを実感できるケースが多い。長期保有の株主に対してはワンランク上の優待を設ける企業もお目見え。株式持ち合いの解消が進むなか、個人投資家の安定株主化を狙う。
株主優待は、配当とは別に、決算期時点の株主に対して商品やサービスを提供する制度。食料品・化粧品メーカーの自社製品や、百貨店・スーパーの割引券、鉄道会社の無料回数券のほか、魚沼産米のような人気商品を贈呈する企業も。優待目当てで株式を購入する個人投資家も多い。
企業側も、株式持ち合いの解消やM&A(企業の合併・買収)の増加から個人株主の獲得を狙って優待制度を積極的に活用する。投資家向け広報のコンサルティングを行う大和インベスター・リレーションズ(IR)の石橋卓磨・業務推進部上席次長は「個人株主をつなぎ留めるためのグレードアップした優待制度は、さらに増える可能性が高い」とみている。
京成電鉄は年二回、京成全線で使用できる回数券や定期券を贈呈しているが、新たに、一万株以上を三年以上保有している株主に対して、回数券を四-十枚上乗せする。
また、今年度から優待制度を導入した昭和化学工業は、三千円相当の自社製品を贈るほか、九月末時点の株主に対しては、保有年数に応じて「あきたこまち」の新米二-六キロを贈呈する。