WSJ-連邦住宅貸付銀行、減配余儀なくされる可能性も

連邦住宅貸付銀行(FHLB)を監督する連邦住宅金融委員会(FHFB)が規制強化に動いていることにより、ワシントン・ミューチュアル(NYSE:WM)、シティグループ(NYSE:C)など大手を含む数千の貸し手にFHLB制度が長い間もたらしてきた恩恵が、縮小する可能性に直面している。

連邦住宅金融委は今月、利益のより多くの部分を資本として留保することをFHLBに義務づける新規則を提案した。損失の可能性に対する備えを強化させることが目的。

この提案通りに実行されれば、大半のFHLBは減配を余儀なくされる公算が大きい。FHLBに出資する8100社を超える商業銀行、貯蓄金融機関、信用組合、保険会社などにとり、FHLBからの配当は大きな収入源となっている。

委員会の提案は、FHLBが会員の行った住宅ローンの買い取りに消極的になることにより、小さいながらも重要な住宅金融の源を干上がらせ、消費者の住宅ローンコストをやや押し上げる可能性もある。

銀行関係者の多くは、同委員会の提案に強く反発している。業界団体「アメリカズ・コミュニティー・バンカーズ」のダイアン・ケイシー・ランドリーCEOは、この提案は「見当違い」だとし、住宅市場を支え、数千に上る小規模銀行の存続を可能としてきたシステムに打撃を与えると主張した。規制当局はここ数年間、FHLBにより厳しい制約を課すようになっているが、これについて、ケイシー・ランドリー氏は「最終的な目標はいったい何だ」と問いかける。

連邦住宅金融委のロナルド・ローゼンフェルド委員長は、委員会としてはただ単に、FHLBの安全性と健全性を確かなものにし、住宅金融という「使命」に専念しつづけさせたいだけだ、と述べた。

FHLBは、1932年に議会制定法で設立された。大恐慌で大きな打撃を受けた貯蓄金融機関にてこ入れすることが目的だった。資産総額は9980億ドル。

FHLBは、実質的には、政府支出を伴わない銀行向け連邦補助制度だ。危機の際には、納税者の負担で連邦政府が救済に乗り出すと投資家が考えているため、債券市場で有利な条件で資金調達できる。調達した資金を、「会員」と呼ばれる出資者に低利融資として提供している。

こうした事実上の補助と引き換えに、議会はFHLBに対し、1980年代後半の貯蓄貸付会社(S&L)救済で積み上がった負債を返済するよう義務づけている。FHLBはまた、利益の10%を低所得者層向け住宅プロジェクトに充てることを義務づけられている。

政策分析会社のスタンフォード・ワシントン・リサーチ・グループによると、新規則が導入された場合、最も大きな打撃を受けるのは、FHLBの最大出資者であるワシントン・ミューチュアルであるという。

スタンフォード・ワシントンによると、FHLBが減配した場合、ワシントン・ミューチュアルにとって、向こう3年間で少なくとも2億8400万ドルの減益要因となると予想されるという。ワシントン・ミューチュアルは2005年、FHLBから1億4600万ドルの配当を受け取った。これは税引き前利益の2.7%に相当した。調査会社パンク・ジーゲルのアナリスト、リチャード・ボブ氏は、ワシントン・ミューチュアル自身が増配をやめる結果につながる可能性があるとみている。

ワシントン・ミューチュアルの広報担当者は、同社の配当慣行にFHLBの新規則が影響するとは予想していない、とコメントした。

当局がFHLBの規制強化に動いている背景には、シアトルのFHLBが、過去の金利リスク管理の失敗で昨年10-12月期に910万ドルの特別損失を計上するなど、一部のFHLBがつまずきをみせていることがある。

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