CM自粛など消費者金融が健全化策…金利下げは消極的

武富士など消費者金融大手5社の社長は28日、記者会見し、大手7社で共同して「借り過ぎ」防止などの消費者金融市場の健全化策に自主的に取り組むと発表した。

 ただ、追い貸しを禁止するなどの強制的な措置はなく、各社は金利の引き下げにも消極的だ。今回の健全化策がどこまで多重債務者の減少につながるかは未知数だ。

 7社は年間50億円を拠出して、多重債務者支援に取り組む団体に助成する。7月からは利用者が計画的な返済ができるかどうかを自ら判断するためのチェックシートを、無人契約機などに置く。

 6月からは借り過ぎ防止を訴えるテレビCMを放映し、消費者金融自体のCMの放映自粛時間は、4月から3時間拡大する。

 ただ、利息制限法の上限金利(元本金額により年15~20%)と、刑罰対象となる出資法の上限金利(年29・2%)の間の「グレーゾーン金利」撤廃の動きについては、自主的な対応策は打ち出されていない。会見でアイフルの福田吉孝社長は、「(金利の)ねじれは解消していただきたい」とグレーゾーンの撤廃を訴えたが、撤廃後の金利水準については、「金利を下げると(審査が厳しくなるため)借りられない人が出てくる」(木下盛好・アコム社長)などと、引き下げは難しいとの考えを示唆した。

 本来、グレーゾーン金利での貸し付けは無効とされるが、貸金業規制法は、借り手が自らの意思で利息を払っている場合などに限って、グレーゾーン金利を有効と認めている。

 しかし、最高裁が今年1月、グレーゾーン金利を事実上認めない判決を出したため、業界は一気に危機感を強めている。アコムは判決を受けて、利用者からの「グレーゾーン」部分の利息返還請求に備えて引当金を用意するため、2006年3月期連結決算の税引き後利益予想を大幅に下方修正している。

 日本弁護士連合会は多重債務者を救済するため、消費者金融業界に貸し出し金利を引き下げるよう求めている。今回の健全化策には、経営の屋台骨を揺るがす金利の引き下げは避けたいとの思惑がにじむ。

 ただ、大手が借り過ぎを防いでも、ヤミ金融の貸し出しが増えるだけ、という見方もあり、多重債務者を減らす効果は不透明だ。