第一三共 ゼファーマ買収合意 売上高520億円、大衆薬市場3位に

第一三共は三十一日、アステラス製薬の大衆薬子会社、ゼファーマ(東京都中央区)を二百三十五億円で買収すると発表した。買収によって第一三共の大衆薬子会社である第一三共ヘルスケア(同)と合わせた売上高は約五百二十億円となり、大衆薬市場で大正製薬、武田薬品工業に次ぐ三位となる。
 第一三共は四月十三日に株式譲渡を受け、一年間は傘下に第一三共ヘルスケアとゼファーマを並べるが、来年四月に両社を統合し、ヘルスケア事業会社を発足させる。
 新事業会社は、風邪薬「ルル」、ドリンク剤「リゲイン」などの製品群にゼファーマの胃腸薬「ガスター10」などを加え、健康・美容商品もそろえることで売上高一千億円を目指す。一方、アステラスは収益性の低い大衆薬から撤退、医療用医薬品に経営資源を集中する。
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≪経営戦略の違い鮮明に≫
 第一三共とアステラス製薬が三十一日、大衆薬事業の譲渡で合意したことは、製薬業界を取り巻く経営環境の激しさを物語る。安定収益源だった国内大衆薬市場は、特定保健用食品やサプリメント(栄養補助食品)の急成長に挟まれ、縮小傾向にある。合併や経営統合を決断して世界で戦う体制を整えた両社だが、医療用医薬品の競争激化を前に、大衆薬は撤退か強化かの二者択一を迫られていた。経営戦略の違いが将来、両社の明暗を分けるかもしれない。
 薬局やドラッグストアで売られる大衆薬市場は七千四百七十九億円(平成十五年、厚生労働省調べ)でピークの五年から約20%減と低迷する一方、病院などで処方される医療用医薬品は八兆千七百六十三億円と少子高齢化で伸び続けてきた。
 背景には、肥満など生活習慣病の予防や健康増進をうたう「特保市場」が十七年度六千三百億円(推定)に膨らみ、美容心理をくすぐるサプリメントも急成長が続く。「本当に具合が悪ければ医者から薬をもらい、悪くなければ健康食品を買う。大衆薬に魅力がなくなった」(大手製薬)との指摘も聞かれる。
 企業の宣伝効果はあっても低収益の大衆薬に見切りをつけ、高収益の医療用医薬品に集中するのが製薬大手の流れだ。世界最大手の米ファイザーにも大衆薬部門撤退のうわさが消えない。ただ、中外製薬から大衆薬部門を買収したライオンは「やり方次第でまだ伸びる」と将来性を期待するなど見方は分かれる。「リゲイン」などテレビCMで定評ある第一三共がどう事業を再構築するのか、製薬業界の注目が集まる。

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