WSJ-中国3大パソコンメーカー、マイクロソフト製OS搭載で合意
中国3大パソコンメーカーが米マイクロソフト(Nasdaq:MSFT)の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を標準搭載したパソコンを販売することで合意した。米中の通商関係に緊張をもたらしている著作権侵害問題への取り組みが1歩前進することになる。
3社のうち最新の清華同方(600100.SH)との合意は6日発表される予定。マイクロソフトの中国事業にとって大きな転機となりそうだ。同社は中国で大規模な研究センターを運営しているが、OSの供給という主力事業では苦戦を強いられている。中国では違法コピーされた海賊版がわずか数ドルで手に入る。パソコンユーザーの大半は依然、純正品に定価を支払うことを渋っている。
中国政府はここ数カ月、コンピューター製造各社に対して海賊版の横行に対処する新しい措置を取るよう圧力を掛けてきた。その結果、マイクロソフトが一連の静かな勝利を収めつつある。そのひとつは、ソフトウエアを標準搭載したコンピューターが増えたことだ。現在、中国ではハードウエアが単品で販売されることも多い。
中国パソコン市場で約3分の1のシェアを持つ、業界最大手の聯想集団(レノボグループ)(0992.HK)は昨年12月、国内販売向けのパソコンにウィンドウズなどのソフトウエアパッケージの搭載を始めた。同2位の方正集団も同様のプランで追随した。
6日には同3位の清華同方もウィンドウズを工場出荷段階で搭載する合意を交わす見込み。清華同方の幹部らは中国の呉儀副首相の訪米に同行する。同副首相は米政府関係者と会談し、両国の通商摩擦の解消に努める。また、胡錦濤国家主席も今月訪米し、マイクロソフトの拠点に立ち寄る見込みとなっている。
こうした取引のタイミングは、中国に対して海賊版・模造品の取り締まりを強化するよう求める国際的圧力の高まりを反映している。米国は海賊行為が対中貿易赤字拡大の要因になっているとして批判している。だが、中国が最近になって海賊版対策を強化した背景には、この問題が国内企業にも悪影響をもたらしている可能性があるとの認識もあるようだ。
中国政府はこれまで、知的財産権の侵害を黙認し、海外技術への対価支払いを回避してきた。だが、米市場調査会社ガートナーのディオン・ウィギンス氏は、中国は国内総生産(GDP)の1%強を調査や特許権保護の強化に費やしており、現在開発されている発明品は今や「国益の問題」になったと指摘する。
マイクロソフトとの取引に中国のパソコンメーカーが意欲を示したことは、同国市場の力学の変容も映し出す。業界最大手の聯想集団は昨年、米IBM(NYSE:IBM)のパソコン事業を買収した。聯想集団の約3倍の売上高を誇る旧IBM部門は、中国でマイクロソフトの使用許諾要件を満たすという基準を打ち立てた。中国パソコン市場でかなりのシェアを持つ米デル(Nasdaq:DELL)とヒューレット・パッカード(HP)(NYSE:HPQ)も自社製品とウィンドウズのセット販売を行っている。
聯想集団の楊元慶会長は2月、今年は約1億5000万ドルをマイクロソフトのソフトウエアの購入に充て、中国で販売する方針を示した。この額は、同社の世界全体の支出予算の10%強。一方、清華同方は06-08年にマイクロソフト製品1億2000万ドル相当を購入する見通し。方正集団は予算案を明らかにしていない。
こうした資金がマイクロソフトの懐に納まることになる。ただ、3社との合意は中国国内で販売されるパソコンだけに適用されるほか、マイクロソフトのビジネス統合ソフト「オフィス」は対象になっていない。