米連邦準備制度理事会(FRB)は3日、シティグループ(NYSE:C)に科していた、大規模な買収の制限を解いた。
FRBは同社の一連の不祥事を受け、2005年3月、大規模な買収を事実上禁じた。それからほぼ1年たった4月3日、ニューヨーク連銀はシティグループのチャールズ・プリンス最高経営責任者(CEO)あてに書簡を送り、「法令を順守するための新たなリスク管理の実施で目覚ましい進歩がみられた。したがって、大規模な買収を差し控える必要はもうない」とした。この書簡には同連銀のウィリアム・ラトリッジ執行副総裁(銀行監督担当)が署名している。
シティグループがこの書簡を受け取ったことで、同行による大規模な買収が可能かどうかあいまいな状態に終止符が打たれた。同行は昨年のほとんどを費やし、倫理向上計画を推進した。プリンス氏は最近、コーポレートガバナンス(企業統治)の改善に成功したとアピールしていた。シティグループは、買収活動が自由にできるとの理解に立ち、トルコの銀行大手フィナンスバンク(FINBN.IS)の買収を目指していたが、ギリシャ・ナショナル銀行(NYSE:NBG)に競り負けた。
オーストラリアの規制当局は先週、シティグループを「内部情報に基づいて取引している」と非難した。一部の市場関係者は、このことがFRBに懸念を抱かせ、FRBがシティグループによる大規模な買収の制限を解除する可能性は低くなるとみていた。
プリンス氏は4日、シティグループ従業員にあてたメモで「ニューヨーク連銀からの書簡は非常に喜ばしい。皆さんの努力の証しだ」と述べた。
ただニューヨーク連銀からの書簡は「あらゆる法令に従い、シティグループによる買収提案を注意深く観察する」とくぎを刺している。
シティグループが米国、日本、欧州の各当局との間で一連の問題を引き起こしたことを受け、FRBは昨年3月、同行経営陣に、「大規模な」買収を差し控え、内部統制を強化するよう命じる、異例の措置をとった。03年10月からCEOを務めているプリンス氏は、一連の不祥事の克服に努めた。前任のサンフォード・ワイル氏は、1990年代に買収を重ね、同行を世界最大規模の金融サービス会社にした。