WSJ-JPモルガン、BONYから支店約300店を取得へ

米国の金融機関の多くは、個人向け事業の支店について、自社で新設するか買収するかのどちらかを選択する。だがJPモルガン・チェース(NYSE:JPM)は、その両方を積極的に推進している。

米銀の時価総額で3位である同社は、関係筋によると、バンク・オブ・ニューヨーク(BONY)(NYSE:BK)から支店約300店を取得する方向で交渉している。これは、JPモルガンの法人信託事業の一部をBONYの支店と交換する方法をとるとみられる。JPモルガンによる支店取得の意向については、30日にCNBCテレビが報じた。

両社の代表はコメントを避けた。取引の一部として現金のやり取りがあるかどうかは不透明だ。ウォール街のアナリストはかなり前から、BONYが個人向け事業の大部分を売却すると予想しており、BONYの支店網の資産価値を約40億ドルと見積もっている。

事情に詳しい筋によると、両社による取引の仕組みが複雑なため、直ちに取引が成立することはないという。BONYでは個人向け事業が利益の15%を占めており、これに代わる収入源を確保するのは難しい。このためBONYは、同事業を単に売却するのではなく、資産を交換する形での取引を望んでいる。また、こうすれば、多額の現金または株式による取引に伴う多額の納税をBONYは避けることができる。

この取引についての市場の反応はまちまち。BONYの30日終値は前日比1.50ドル(4.36%)高の35.92ドル、JPモルガンは同0.15ドル(0.36%)安の41.53ドルだった。

JPモルガンは、長年先送りしてきた支店網の整備にとりかかっている。消費者は金融取引の一部をオンラインでするようになっても近くに支店があることを望んでいるということに、金融各社は気がついた。米中西部の個人向け事業で有力な地位にあるバンクワンをJPモルガンが2004年に580億ドルで買収したのは、これが大きな理由だった。

1月にJPモルガンの最高経営責任者(CEO)に就任した前バンクワン会長兼CEOのジェームズ・ダイモン氏にとって、BONYとの取引は初めての大仕事となる。株主は、バンクワンとの事業統合作業が完了する前に同氏がさらに大規模な買収に乗り出すのではないかと懸念している。ただ、資産の交換による取引であれば株価が希薄化されないため、株主にとってはるかに望ましいとみられる。

JPモルガンが目指している支店取得が完了すれば、米国で最も競争が激しく利益も大きいニューヨーク地域での同社の事業基盤は一段と強固になる。

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