WSJ-生命保険株、鳥インフルエンザの影響に不安の声

もし、連続殺人犯が野放しになっていたら、その犠牲者に補償金を支払う義務のある会社の株を保有するのは、愚かなことだ。

鳥インフルエンザのウィルス感染地域が、地球規模で新たな広がりをみせているなか、一部のアナリストらがそう言い始めている。「もし、深刻な発生が起これば、多数の生命保険会社に対して広範囲な悪影響を及ぼすことになろう」と、モルガン・スタンレーの保険アナリスト、ナイジェル・ダリー氏は最近のリポートで述べている。

調査の対象となった上場会社14社の中で、生命保険引き受け金額の分析に基づいて、潜在的な損失がもっとも大きいとみられる会社として指摘されたのは、最大手の一角メットライフ(NYSE:MET)、そしてリインシュアランス・グループ・オブ・アメリカ(NYSE:RGA)などのような小規模保険会社である。

1918年に起きたインフルエンザの世界的流行では、4000万人以上が死亡したが、このような規模で発生する可能性は、これまでのところ極めて少ないようだと、エリック・バイエル氏(Tロウ・プライスの生命保険アナリスト)は言う。世界保険機関(WHO)によれば、鳥インフルエンザ・ウィルスで2003年以降死亡したのは、少なくとも8カ国で100人以上となっている。これは、米落雷安全研究所の統計によれば、米国で平均3年間に落雷で死亡した人の数がおよそ160人であることから、これよりも少ない。

世界的流行となるためには、このウィルスが人から人へ簡単に感染するように突然変異しなければならない。突然変異はありそうもないと一般的にみられているが、地球規模の影響は強烈となる。米連邦議会予算事務局(CBO)が12月に発表したリポートによれば、深刻な世界的流行が発生すれば、翌年の実質GDPがおよそ5%低下するという。

状況が引き続き不透明であることから、一般的に株価の見通しもまた不透明である。しかし、一部の投資家は最悪の事態に備えつつある。

「米国のGDPがプラス5%からマイナス5%に突然変わるなら、米国であろうとどこの国であろうと、株を持っていたくない」と、デビッド・コトク氏(カンバーランド・アドバイザーの最高投資責任者)は言う。

コトク氏によれば、もしウィルスが人から人へ感染し始めたら、レストランやホテル、旅行関連などのような人との接触が多いセクターへの投資は避け、インターネット株など人との接触を避けるのに役立つセクターを選ぶという。カンバーランドは、取引所で売買するファンドで8億2000万ドルを運用しているが、ハイテク株にくらべて、小売りや消費関連セクターへの投資は少なくしているという。

米保険情報協会の推定によれば、1918年のような世界的流行が起これば、生命保険業界の追加的死亡保険金支払いは1330億ドルに上るという。モルガン・スタンレーによれば、この金額は生命保険業界の資本(保険会社の資産から負債を差し引いた額)2380億ドルの半分を超えるものとなる。そして、もっと規模の小さい発生では、資本の15%をやや下回るものになるという。フィッチ・レーティングスの推定では、中程度の発生で生命保険金の追加的支払いは、米国で180億ドルになる。

モルガン・スタンレーのダリー氏は、引き受けた生命保険の額を保険会社の株主資本と比較して、保険会社をグループ分けした。生命保険の純保有契約額を株主資本と比較した割合が大きければ大きいほど、世界的流行による影響が大きくなるという。

2005年末に、メットライフは生命保険で合計4兆4000億ドルの潜在的支払い責任があった。これは株主資本の164倍であり、今回の調査の中ではもっとも倍率の高い部類だった。RGAの倍率はさらに高く、株主資本のほぼ461倍となっているという。

スイスのノバルティスがカイロン買収の条件を引き上げ

株式投資ニュース

アラブ首長国連邦(UAE)中央銀行のナセル・アルスワイディ総裁、外貨準備の切り替え決定を延期

Track Back URL: