米情報技術(IT)サービス大手のコンピューター・サイエンシズ(NYSE:CSC)は、身売りを視野に、多くの企業と交渉している。
CSCは、未公開株投資会社のほか、コンピューター関連のアウトソーシング(業務受託)事業を強化しようとしている企業にとって、魅力的な標的となる可能性がある。ただ、この業界はインドをはじめとするアジア各国の企業が低価格でのサービスを打ち出しシェア拡大を目指しているため、CSCを買収する企業は、長期にわたる激しい競争を覚悟する必要がある。
事情に詳しい筋によると、CSCは多くの企業と交渉を始めているという。ただ、相手企業名は明かしていない。同社は4日、プレスリリースで「最近当社に関心を寄せる企業があったことから、身売りも含め、戦略的な選択肢を検討することを当社取締役会は決断した」と発表した。同社はアドバイザーにゴールドマン・サックスを選び契約した。
CSCは同日、これとは別にリストラ計画を発表した。世界の従業員8万人のうち、2007年3月期に4300人を、さらに08年3月期に700人を削減する予定。そのほとんどは、コンサルティング・システム統合事業が不振の欧州になるとしている。リストラ関連費用については、2年で総額3億7500万ドルを特別費用として計上する見通し。
CSCのようなアウトソーシング企業は、政府や企業と、コンピューターシステムの維持管理などの長期契約を結ぶ。こうした事業は多額の現金収入を生むことから、未公開株投資会社にとっては好ましい標的となる。CSCの債務は14億4000万ドルと、財務内容は比較的健全だ。
4日の同社株の終値は前日比2.51ドル(4.38%)高の59.80ドル。これに基づくと、時価総額は111億5000万ドル。最近、身売り、リストラ、自社株買いなどの観測が広がっていることから、同社の株価は高いレンジで推移している。調査会社ベースラインによると、過去12カ月では約21%上昇し、上昇幅は同業他社を平均6ポイント上回っている。
CSC買収を目指す企業は、連邦政府向けの部門を買収する企業と、企業向けの部門を買収する企業に分かれるとみられる。
関係筋によると、防衛大手ロッキード・マーチン(NYSE:LMT)が昨年、政府向け部門だけの買収を目指して失敗した後、投資会社のグループと組み、それぞれの部門を買収する方向で交渉したものの、交渉は初期段階の域を脱せず11月に決裂した。
ヒューレット・パッカード(HP)(NYSE:HPQ)は、数カ月前に投資会社と組んで買収提案する方向で検討し始めていたこともあり、CSCの身売り先になる可能性がある。