WSJ-液晶パネル業界の再編加速か、台湾大手2社の合併で

台湾の液晶パネル製造最大手、友達光電(AUオプトロニクス)(2409.TW)(NYSE:AUO)は7日、台湾の同業、広輝電子(3012.TW)を総額約22億2000万ドルで買収すると発表した。液晶パネル業界では、規模の拡大なしで生き残るのが一層難しくなっていることを示している。

液晶パネル業界で規模がかつてないほど重要性を帯びる中、友達光電はこの買収で世界首位の座を争う位置につけることになる。液晶パネル業界は、テレビ向けのLCD製造でコスト効率を上げるための規模とともに、数十億ドルの投資を要する工場のため豊富な資金が不可欠だ。液晶テレビは急成長期にある。

友達光電は世界液晶パネル業界3位。ここ数年間の世界シェアは約15%。韓国のLGフィリップスLCD(NYSE:LPL,034220.SE)とサムスン電子(005930.SE)がシェア約20%で首位を争っている。広輝電子買収により、友達光電のシェアも約20%に拡大する。

米調査会社アイサプライによると、生産量ベースで友達光電・広輝電子の連合は昨年10-12月期にLGフィリップスLCD、サムスン電子を上回った。ただ、テレビ向け液晶パネルの生産では、友達光電と広輝電子を合わせても、韓国大手2社および台湾の奇美電子(CMO)(3009.TW)より下だった。奇美電子は近年、テレビ向けパネル事業に集中投資を行っている。

友達光電の李焜耀会長兼最高経営責任者(CEO)は「当社のテレビ(パネル)生産を拡大する非常によい機会だ」と述べた。同社は広輝電子の3工場を取得する。うち、1つは25インチ型から37インチ型のテレビスクリーン製造に最適化された施設だ。

今年の世界の薄型テレビ販売台数は推計約4400万台。テレビ全種の販売台数は約1億8500万台となる見込み。薄型テレビのうち液晶パネルを採用したものは約3500万台と、昨年(1900万台)から増加する見通し。残りはプラズマディスプレーテレビになるもよう。

日本と韓国で液晶パネル生産の先駆けとなったのはシャープ(6753.TO)やLG電子(066570.SE)、サムスン電子など多彩な事業展開を持つ大企業だった。これに対し台湾では、より小規模な半導体、コンピューター、モニターメーカーらが液晶パネル事業に乗り出した。台湾最大手の友達光電は2001年、台湾パソコン大手の宏碁電脳(2353.TW)傘下の達碁科技と半導体ファウンドリー大手の聯華電子(NYSE:UMC)傘下の聯友光電が合併して誕生した。

投資家やアナリストらは以前から、台湾の液晶パネルメーカーは合併を通じて競争力を高めることができるとみていた。ドイツ銀行の台北在住アナリスト、フランク・リー氏は「両社の合併は少々意外だった。合併が(より小規模な)企業間で行われると予想していた」とコメントした。

友達光電の李CEOは、業界大手企業に対抗する上で必要な投資額が増加したため、台湾のより資本規模の小さい液晶パネルメーカーも同社のような大企業からの提案の受け入れに柔軟になった、との見方を示し「二番手の企業同士が合併してもシェアは10%以下にとどまり、依然トップとは格段の差がある」と語った。

アナリストらは、友達光電による今回の買収合意が、台湾の業界他社の株価に好材料になるとみる。世界シェア12%で4位、台湾2位の奇美電子による買収が見込まれるためだ。メリルリンチのアナリスト、ジェフリー・スー氏は週末出した調査リポートで、奇美電子は世界上位3社との差が拡大し、これを縮めるため広輝電子に比べ資金的な魅力に劣る企業を買収する必要があるとみられ、難しい立場に立たされている、と指摘する。

友達光電は広輝電子の株主に対し、保有株3.5株につき友達光電株1株を割り当てる。1株当たりの買値は、広輝電子の7日終値をやや上回る水準。友達光電の同日終値は広輝電子の約4倍。

両社は台湾株式市場の取引終了後に合意を発表した。友達光電の7日終値は48.60台湾ドル(約1.50ドル)。広輝電子の終値は12.10台湾ドル。広輝電子の発行済み株式数(51億6000万株)に基づくと、買収総額は716億5000万台湾ドル(約22億2000万米ドル)となる。

友達光電と広輝電子の株主は、年内に合意の是非について投票を行う見込み。両社は10月の手続き完了を目指している。

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