WSJ-バンク・オブ・ニューヨーク、支店網売却で法人信託事業に専念へ

バンク・オブ・ニューヨーク(BONY)(NYSE:BK)の幹部らはここ数年間、リテールバンキング網を売却して中核の信託銀行事業に注力するよう、ウォール街関係者から求められてきた。これが戦略として正しいかどうか、BONYに批判的だった向きはこれから知ることになる。

BONYとJPモルガン・チェース(NYSE:JPM)は8日、BONYが支店網を31億ドルでJPモルガンに売却することで合意したと発表した。両社の合意によると、米国最古の銀行であるBONYはJPモルガンの法人信託事業を28億ドルで買収する。事業交換の一環として、BONYは1億5000万ドルの現金を受け取る。

この合意により、BONYはステート・ストリート(NYSE:STT)、メロン・ファイナンシャル(NYSE:MEL)、ノーザントラスト(Nasdaq:NTRS)など大手信託銀行との差を縮めることになる。信託銀行は、金融市場を使う企業や他銀行にバックオフィスサポートなどのサービスを提供している。金融市場が好況な時、銀行業界全体を上回るパフォーマンスをみせる傾向がある。

リテールバンキング事業に対する人気や、ニューヨークといった魅力のある地域で支店を展開していることにもかかわらず、BONYのリテール事業は競合他社に遅れを取ってきた。昨年の同部門の利益は前期比でほぼ横ばいの約3億5500万ドルと、全体の税引き前利益の15%を占めた。

BONYの幹部らは、大きな支店網を持ち、モーゲージ事業、クレジットカード事業なども手掛ける全国規模の金融機関とは競合できないと認めるようになっていた。時価総額および資産ベースで米銀行業界2位のバンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)、同3位のJPモルガンはここ1年余り、特にニューヨークのリテール事業強化に積極的に動いている。リテールの全国的なプレゼンスでは、バンカメとJPモルガンに劣るシティグループ(NYSE:C)も、ニューヨークではリテール事業を強化する計画だ。

BONYはリテール事業を売却することで、法人信託事業に専念する。この事業は過去5年間、年14%の成長が続いている。けん引役となっているのは、ストラクチャード商品や国際商品。これらの市場は成長率が高く、BONYはシェアを拡大している。

一方、JPモルガンにとって最も魅力的な資産は、BONYが持つ338店舗と145億ドルに上る顧客預金だ。これらを獲得することで、収益性の高いニューヨーク・ニュージャージー・ペンシルベニア3州の市場で、JPモルガンのシェアは30%に高まり、2位のシティグループの倍近くに拡大する。シティグループは今年、競合他社と引き離されないよう、全国で100の店舗を開設する計画。

JPモルガンのジェームズ・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、ニューヨークのリテール市場を支配する考えを繰り返し示してきた。JPモルガンはここ数年間、ニューヨークの支店網を事実上無視してきたが、現在は既存店舗の改装、新店舗の開設など、支店網の強化に資金を投じている。

ニューヨークやカリフォルニアで支店網を展開する銀行は買収ターゲットとなっていることからバリュエーションが割高になっている。そうした中で、ダイモンCEOは、かなりいい条件でBONYの支店網を手に入れるもようだ。

JPモルガンが、BONYの預金資産を手に入れるために支払うプレミアムは21.4%。これに対し、リテール銀行セクターで発表された、過去25件の合併・買収(M&A)では、プレミアムは29%だった。クレジットカード大手のキャピタル・ワン・ファイナンシャル(NYSE:COF)は3月、米地銀持ち株会社ノース・フォーク・バンコープ(NYSE:NFB)を買収すると発表したが、キャピタル・ワンが支払うプレミアムは34%だ。

一方、BONYはリテールバンキング網を売却することで、ついにライバルの信託銀行と同様に評価される機会を得ることになる。

BONYのトーマス・レーニイ会長兼CEOは、同社の株価収益率が他の信託銀行の水準に近づいていくとの見通しを示した。

信託銀行大手4社の中で、BONYは、収益成長率、バリュエーション、株価などさまざまなモノサシで他3社に出遅れてきた。BONYの株価収益率は、2006年および2007年の予想1株利益ベースで、ステート・ストリート、メロン、ノーザントラストの3社のいずれよりも低い。

先週7日の終値は、BONYが前日比42セント(1.15%)高の36.83ドル。JPモルガンは同59セント(1.40%)安の41.70ドルだった。

明治安田生命保険の一般勘定資産の運用計画

株式投資ニュース

ハチソン・チャイナ・メディテックをロンドン証券取引所の代替投資市場に分離上場

Track Back URL: