WSJ-ウォルマートの銀行免許申請にFDIC公聴会で異論続出
米小売りチェーン大手ウォルマート・ストアーズ(NYSE:WMT)による銀行免許申請を受け、米連邦預金保険公社(FDIC)が10日に開いた公聴会で、反対意見が続出した。ただ、同社のこれまでの違法行為などが列挙されたものの、FDICがどのような判断を下すのかをうかがい知ることはできなかった。
銀行、小売店、食品店などのグループや消費者団体は、ウォルマートがユタ州での産業銀行開設の免許と連邦預金保険への加入を申請していることに強く反対した。こうした申請についての前例のない公聴会では、「ウォルマートが銀行業を始めれば、電子決済システム、銀行預金保険基金、地方銀行業界にとってリスクが生じる」と警告する意見が出た。
ウォルマートが銀行業を手掛けることへの懸念は、同社の規模の大きさや、積極的な事業拡大の姿勢に由来する。同社が出店した地域では、既存の小売店数千店が閉店に追い込まれた。同社は、銀行を取引の事務作業をするためだけに利用するとしているが、同社を批判する人たちは、「ウォルマートは最終的に店舗内の銀行支店を通じて包括的な個人向け銀行業務を手掛けるようになる」と反論している。
ノースダコタ州のカントリーバンクUSAのテリー・ジョード最高経営責任者(CEO)は「ウォルマートが事業計画を守り個人向け銀行業務には手を出さないと思っている人は誰もいない」と述べた。
FDICは、銀行業と商業の兼業は妥当かといった政策面ではなく、個々の銀行の提案の詳細に基づき、その銀行を預金保険の対象として認めるかどうかの判断をしている。FDIC幹部は「銀行からの申請を審査する際には経営姿勢の特徴を考慮している」と述べた。これは、多くの団体が「ウォルマートは不適格」と主張している点だ。
全米規模の草の根団体ACORNの代表であるモード・ハード氏は、「ウォルマートは法令に違反してきた長い歴史がある」と述べ、「同社の雇用差別を問題にした集団訴訟で審理中の事案が数多くある」と指摘した。
FDICのダグ・ジョーンズ法務部長代理は、ウォルマート・ファイナンシャル・サービシズのジェーン・トンプソン社長にかかわる違法行為を取り上げた。トンプソン氏は同社のこれまでの行為を擁護し「確かに多くの裁判を抱えている。われわれは法律を真剣にとらえている」と述べた。
FDICは、ウォルマートがこれまでに個人向け銀行業務を包括的に手掛ける支店の開店を3回申請していずれも認められなかったことを挙げ、ジョーンズ氏は「同社が将来、事業計画の変更を申請しないとはいえない」と指摘した。これに対しトンプソン氏は「ウォルマートは銀行業を、デビットカード、クレジットカード、電子小切手の決済に利用したいだけだ」と反論した。
同氏によると、ウォルマートは2003年、包括的な銀行業務が認められないことが明らかになったため方針を変更し、同社の大規模店舗の一角を地方銀行にリースすることにした。同社は1400店舗での銀行支店開設について銀行とリース契約している。