WSJ-ナスダック、バンカメにLSE株取得資金のための融資枠設定
米ナスダックを運営するナスダック・ストック・マーケット(Nasdaq:NDAQ)は、ロンドン証券取引所(LSE.LN)の一部株式取得資金を賄うために、バンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)に19億3000万ドルの融資枠を設定することで合意した。ナスダックが17日夕方、証券取引委員会(SEC)に提出した書類で明らかにした。
ナスダックは11日、7億8170万ドルを支払ってLSE株14.99%を取得した。昨年後半にJPモルガン・チェース(NYSE:JPM)、メリルリンチ(NYSE:MER)と契約した7億4810万ドルの融資枠については、バンカメからの借入金で18日に返済する予定。この後、ナスダックが使用可能な資金は約3億9500万ドルとなり、この資金でLSE株を買い進む可能性がある。多くのアナリストは、18日午前にもLSE株を追加取得すると予想している。
格付け各社は、LSE株取得によってナスダックの債務が大きくなりすぎることを懸念している。ナスダックの新たな融資枠設定がこうした格付け会社の懸念払しょくにどの程度役立つかは不透明だ。ナスダックは3月、LSE全体を約42億ドルで買収する提案をしたが、LSEに拒否されたためこの提案を撤回し、一部株式の取得に方針を変更した。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは先週、ナスダックの債務格付けを「Ba3」に引き下げた。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、「トリプルBマイナス」の格付けを引き下げる可能性があるとしてクレジットウオッチに掲載した。両社とも、ナスダックがLSEの少数株式取得のために債務が大きくなりすぎるのではないかと懸念している。取得価格は、ナスダックが当初、LSE全体を買収するために提示していた金額を1株当たり2.25ポンド(3.98ドル)上回っている。証券関連法上、ナスダックは18日以降、LSE株保有比率を10ポイント引き上げることが可能になるが、LSEの同意がなければ6カ月以内に30%を超えることはできない。
35年の歴史を持つナスダックには、マイクロソフト(Nasdaq:MSFT)やコーヒーチェーン大手のスターバックス(Nasdaq:SBUX)などが上場している。このナスダックがLSE株を取得したのは、LSEのクララ・ファース最高経営責任者(CEO)に、ナスダックとの統合を促す狙いがある。これが実現しない場合、ナスダックはほかの企業に、より高い金額でのLSE買収を迫り、LSE株の売却益を受け取る可能性もある。
サンドラー・オニールのアナリスト、リチャード・レペット氏は「ナスダックとLSEが統合すれば、経費を年間1億ドル節減できる」とみている。だが買収が先延ばしになれば、債務返済費用が増えるため、買収は高くつくことになる。
LSEは最近、ニューヨーク証券取引所(NYSE)を運営するNYSEグループ(NYSE:NYX)と何度か話し合いをしたほか、ユーロネクスト(24151.AE)との提携の可能性が繰り返しささやかれている。いずれも時価総額はナスダックを上回っている。NYSEグループは財務が安定しており、約8億ドルの手元資金がある。ユーロネクストはロンドンを拠点とする大規模なデリバティブ(金融派生商品)市場を抱えている。