WSJ-Bスターンズが低コストでの中国進出を模索、建設銀行と交渉

米ベアー・スターンズ(NYSE:BSC)は、同社より規模の大きいライバル企業と比べ、中国進出への足掛かりを得るのに出遅れてきた。ジェームズ・ケイン会長兼最高経営責任者(CEO)は、中国建設銀行(0939.HK)と手を結ぶことで形勢を逆転し、優位に立ちたいようだ。

少なくとも今年3月以来、ベアー・スターンズと中国の4大国有商業銀行のひとつである建設銀行は、建設銀行がベアー・スターンズに少数株主として出資する可能性について予備的な交渉を行っている。このことについては、17日付のウォール・ストリート・ジャーナルが事情に詳しい筋の話として報じた。

それによると、建設銀行はベアー・スターンズの発行する転換社債を20億-40億ドル相当取得し、これを最終的に株式に転換することでベアー・スターンズの株式を10-20%取得し、最大株主となるといった構想が練られているという。ケイン会長は17日夜、建設銀行の常振明副董事長兼行長と話し合う予定となっていた。

実現すれば、ベアー・スターンズは低コストでの中国進出が可能になる。また、本国および海外で競争するための資本を強化できる。

事情に詳しい筋は、ベアー・スターンズのトップ幹部らと、建設銀行のごく少数のトップ幹部の間で交渉があったことを確認した。

ベアー・スターンズは、合併・買収(M&A)による証券業界の再編が進む中でも独立を維持し、自身より規模の大きい企業と効率的に競争してきた。債券トレーディングで高く評価されているほか、ヘッジファンドへの助言サービスなど高成長分野でもゴールドマン・サックス・グループ(NYSE:GS)、モルガン・スタンレー(NYSE:MS)などと肩を並べている。

競合他社が投資銀行や自己勘定によるトレーディング業務などに多額の投資を行う中で、ベアー・スターンズはそうしたリスクを避けてきた。その一方で、リスクアービトラージでは、ウォール街で最も強力な部門を築き上げた。

ベアー・スターンズが中国戦略を前回試みたのは20年近く前のこと。同社は1987年、自身の株式を香港のジャーディン・ストラテジック・ホールディングスに売却することで合意した。しかしその年の10月、株式市場が暴落し、ベアー・スターンズの株価も急落したのを受け、ジャーディンは合意を撤回した。これを受け、ベアー・スターンズはジャーディンを訴え、6000万ドルの損害賠償を得た。この法廷での争いで指揮を執った幹部の1人がケイン氏だった。

ベアー・スターンズは、中国市場への参入を再び試みようとしており、投資銀行レーン・ベリーのフレデリック・レーン会長兼CEOによると、低コストで中国市場へのアクセスを得る方法をベアー・スターンズは見つけたもようだ。中国の銀行に出資してもらうといったやり方だ。

レーン氏は「これはベアー・スターンズにとって素晴らしい案かもしれない。自身が資金を拠出するものではなく、経費を最小限にとどめ、合弁事業の形を取れそうだ」と話す。

証券会社フォックス・ピット・ケルトンのアナリスト、デビッド・トローン氏は先週14日、ケイン氏に会った。トローン氏によると、ケイン氏は建設銀行と合意する可能性には触れず、中国投資がもたらす機会は認識するとしながら、それに伴うリスクも挙げたという。

このことから、17日付のウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた構想は、ベアー・スターンズが資本リスクを拡大せずに地元企業と手を組む方法であるもようだ、とトローン氏はリポートで書いている。トローン氏によると、「ベアー・スターンズはその専門知識を貸すだけのもよう」。その一方で出資してもらうことで資本を強化できる。

中国は資本市場の育成に注力しており、建設銀行はベアー・スターンズと手を組むことで同社の資本市場ノウハウを手に入れられる可能性がある。建設銀行はグローバル規模の銀行になることを目指しており、ベアー・スターンズと合意できれば、そうした目標に向かって前進する手助けとなるとみられる。

建設銀行は資産ベースで中国3位の銀行。昨年10月に香港株式市場に上場した。

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