村上世彰氏率いる投資ファンド(通称・村上ファンド)が保有する阪神電気鉄道株をめぐり、買い取りを検討中の阪急ホールディングス(HD)が、市場価格を下回る一株八〇〇円台を軸に九〇〇円台までの価格で株式公開買い付け(TOB)の調整を行っていることが二十三日わかった。
関係者によると、三井住友銀行が阪急HDに買い付け資金を融資する方針を固めたようだ。大和証券SMBCの仲介で阪急HDと村上ファンドの水面下の交渉も進んでおり、週内の決着の可能性が濃厚になってきた。
村上ファンドは二月二十二日時点で阪神電鉄の発行済み株式の45・73%(一億九千二百八十三万株)を保有し、阪急HDは全株買い取る考え。
取得株数が全体の三分の一を超えることからTOBを実施する。ただ、買い付けは村上ファンド保有株に限定する見通し。このため、買い付け価格は一般投資家が応じにくい市場価格を下回る水準で調整している。
最近の阪神電鉄株は一〇〇〇円前後で推移。村上ファンドの買いで昨夏までの四〇〇円台から急騰し、市場で「高すぎる」と指摘される。阪急HDの買い付け後は下落が避けられず、含み損で株主代表訴訟の恐れもある。
一方、村上ファンドが投じた資金は総額千二百億円超。一株あたり約六四〇円となり、仮に八四〇円で売却しても一株二百円、全体で三百八十億円超の利益が出る。
阪急HDは二十四日にもTOBに関する臨時取締役会を開く方針。ただ、村上ファンドは少しでも高い価格での買い取りを求めており、交渉が難航する可能性もある。