WSJ-エンゲルハード、独BASFからの買収提案受け入れの可能性
化学・工業材料メーカーで触媒大手の米エンゲルハード(NYSE:EC)が、ドイツの化学大手BASF(NYSE:BF)からの約50億ドルでの買収提案に応じる見通しが出てきた。関係筋が明らかにした。エンゲルハードは6カ月にわたり、BASFからの買収提案を拒否してきた。
同筋によると、最終的な承認についてはメモリアルデーの連休に詰めの作業をしており、交渉が決裂する可能性もまだ残っている。だが予定通りに進めば、両社は買収合意について30日にも発表する可能性がある。実現すれば、BASFにとっては最大規模の買収となる。ドイツ企業が米企業に、賛同を得ないで買収提案した事例としては過去最大規模。
BASFは先週、買収提示額を1株当たり1ドル引き上げて39ドルとし、同社最高経営責任者(CEO)は「条件引き上げはこれが最後」としていた。
事情に詳しい筋によると、この警告がエンゲルハード株主の関心を集め、株主が同社経営陣に、買収提案の受け入れを提言したという。
1月3日にBASFが1株37ドルでエンゲルハードの公開買い付けに乗り出して以降、この買収案件は様相がかなり変わってきた。
エンゲルハードは数週間後、BASFからの買収提案を拒否し、買収に関心を示したほかの複数の企業のうち1社に身売りすることを検討すると発表した。新たな買い手が現れるとの期待から、同社の株価は40.92ドルに上昇した。
だが身売りは実現せず、同社は発行済み株式の20%を1株当たり45ドルで自ら買い付けるに至った。先週末の終値は、前日比0.02ドル(0.05%)安の38.68ドル。
関係筋によると、同社は3月、BASFに財務資料を公開し、自らに選択の余地を残した。こうすることで、買収手続きの迅速化につながる。約6カ月にわたり買収提案を拒否したことで、BASFによる買収提示額は当初に比べ、1株当たり2ドル(5.4%)引き上げられた。
エンゲルハードの製品の用途は、排ガスの制御や医薬品の製造など多岐にわたる。BASFも触媒事業をすでに手掛けているが、同社は、エンゲルハード買収が実現すれば、触媒の分野で世界首位になれると過去に述べている。エンゲルハードは特に自動車向け触媒を得意とし、世界の約3分の1を占めている。これはBASFがまだ取り組んでいない分野だ。排ガス規制が厳しくなるにつれ、触媒市場は年5%のペースで成長するとBASFはみている。