村上世彰氏率いる投資ファンド「MACアセットマネジメント」(通称・村上ファンド)が国内の投資顧問業の廃業届を財務省関東財務局に提出していたことが13日、分かった。村上ファンドは3月にシンガポールにMAC社の現地法人を設立し、阪神電気鉄道株やTBSなどすべての保有株式を移し替えた。さらにオリックスがMAC社への出資を引き揚げて提携関係を解消することも明らかになっており、村上ファンドの日本離れが加速している。
一方、投資顧問業の廃業で、年1回の営業報告書の提出や証券取引等監視委員会の立ち入り検査の受け入れなどの義務は負わなくなる。MAC社は海外へ移転し投資顧問業を廃業したものの、MAC社と一体となってコンサルティング業務を行う「M&Aコンサルティング」は東京・六本木に残り、これまで通り阪神株をめぐる阪神電鉄との交渉などに当たる。
村上ファンドはこれまで、日本企業の発行済み株式の5%超を取得しても、投資ファンドに対する特例として3カ月ごとに大量保有報告書を提出すれば良かった。しかし、日本での投資顧問業を廃業したことでこの特例措置は認められなくなり、取得後直ちに報告を提出しなければならない。
また、今国会で審議中の金融商品取引法(投資サービス法)案は投資ファンドに対する規制を強化する内容になっており、拠点を海外に移しても日本の投資家から資金を集め日本企業の株を保有する場合は「国内に拠点があるのと同様の規制がかかる」(金融庁)という。