オリックスの藤木保彦(やすひこ)社長は十二日の決算発表会見の席上、元通産官僚の村上世彰(よしあき)氏率いる投資ファンド(村上ファンド)から出資金と役員を引き揚げ、提携を解消することを明らかにした。
シンガポールへの運用拠点の移転に伴い、村上氏側からオリックスが所有する株式の買い取りを要請したという。この提携解消は、同ファンドの投資姿勢の転換を象徴する事態といえそうだ。
オリックスは村上ファンドの中核的な運用会社「MACアセットマネジメント」に資本金の45%に当たる約四千万円を出資、非常勤役員二人も派遣していた。
しかし、今年二月ごろ、村上氏側から「すべて自分でやりたいとの申し出があった」(藤木社長)という。一-二カ月以内に出資を引き揚げるが、運用委託している資金の扱いについては「別途判断する」としている。
オリックスの宮内義彦会長は、村上氏が通産官僚だったころからの知人。村上氏が旧通産省を退官して一九九九年にファンドを立ち上げた際、株主の立場から企業変革を目指す同氏の意向に賛同し、オリックスが出資金を拠出してファンド発足を後押しした。
ただ、藤木社長は同日の会見で「当初は経営支配を目的にするようなことはなかった」と指摘。阪神電気鉄道株の約46%を買い占めるなど、村上氏の投資姿勢がファンド発足当初と変わってきたことへの違和感をにじませた。
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【会社概要】オリックス
商社のニチメン(現・双日)と三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)が共同で、1964年に米国発の金融ビジネスだったリース業を行う会社として設立。88年からプロ野球球団に参画し、89年に社名をオリエント・リースからオリックスに変更して知名度向上に成功した。会長の宮内義彦氏は政府の規制改革・民間開放推進会議議長を務める。
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【用語解説】村上ファンド
元通産官僚の村上世彰氏が1999年に設立した「M&Aコンサルティング」と「MACアセットマネジメント」を中心とする投資ファンド。株主総会での議決権確保に向け企業株を大量に購入するM&A(企業の合併・買収)戦略が中心。東京スタイルやニッポン放送などの株式大量購入などで有名。企業価値の向上を提案することが多いとされ、同ファンドが購入する株の価格が上昇する傾向がある。