主要損害保険九社の二〇〇六年三月期決算(単体)が二十四日出そろった。景気回復の影響や大規模な自然災害がなかったことなどから、本業のもうけを示す保険引受損益は、東京海上日動火災保険など二社が増益になったほか、三井住友海上火災保険など三社が黒字転換を果たした。九社合計では四百五十九億円の黒字(前期は五百十一億円の赤字)となった。
最終利益は、株価上昇もあって日本興亜損害保険を除く八社で増益を確保。東京海上日動、損保ジャパン、ニッセイ同和損害保険の三社が最高益となった。
〇五年三月期は、観測史上最多の台風上陸で自然災害に伴う支払い保険金が膨らみ、九社合計の最終利益は前期比18%減となったが、〇六年三月期は同17・8%増の三千五十九億円と、二けた増となった。
九社合計の正味収入保険料(一般事業会社の売上高に相当)は、同1・0%増の六兆五千六百二十三億円。主要商品である自動車保険の販売改善が大きく寄与し、東京海上日動や損保ジャパンなど七社で増収を確保。
自動車保険の正味収入保険料は、東京海上日動など五社で増収を確保。小型車の販売増や無事故割引などの進展で減収となった〇五年三月期に比べ、補償内容が充実した商品の投入により、保険料単価の下落に歯止めをかけたうえ、契約台数が増加したことが主因。
大規模自然災害に備えて積み立てておく「異常危険準備金」は、全社で積み増した。
一方、大手六社の連結正味収入保険料は、東京海上日動を傘下に置くミレアホールディングス(HD)など四社で増収だった。特に三井住友海上火災保険は海外事業の進展などが奏功し、同4・7%増と高い伸びをみせた。
連結最終利益では、ミレアHDと三井住友海上が、海外事業の拡大により30%を超える高い伸びとなった一方で、日本興亜損保は損保事業が伸びなかったことで、20%を超える減益だった。
◇
■ミレアHD・小谷友宏常務
景気回復の影響は遅効的とみているが、それでもミレア傘下の東京海上日動の〇六年三月期で設備投資拡大による火災保険、物流が好調なことによる海上保険が伸びている。今後も住宅着工の拡大などで、収益には緩やかに効いてくる。
◇
■三井住友海上・池田克朗常務
自動車損害賠償責任以外はすべて増収。特に景気回復に伴い、荷動きの活発化で海上保険が9・4%の大幅な増収を記録した。連結でもアジアが前期比三倍以上の増収だった。二〇一〇年ビジョンに基づきアジアや生保を今後も強化する。
◇
■日本興亜損保・藤井康秀常務
自動車保険が契約件数、単価ともに前期比マイナスで苦戦した。特に新規契約が取れなかった。九月に全面的に見直した新商品「カーボックス」を発売する。件数、単価ともにプラスが期待でき、自動車保険事業の転換点になる。
◇
■損保ジャパン・望月純常務
ニーズ細分型自動車保険の「ONE-do(ワンドゥ)」が好調で、〇五年三月期はマイナス0・7%だった自動車保険料収入が、〇六年三月期はプラス0・7%に転換。特に前期比0・9ポイント増で継続率が93・9%まで上昇している。
◇
■あいおい損保・梅村孝義取締役
トヨタ自動車との関係強化は順調に進んでいる。昨年八月から始めた「レクサス」ブランド車だけに特化したレクサス保険も、五億円の保険料収入になった。粛々と進めていくが、トヨタでの(あいおいの)シェアも上がってきている。
◇
■ニッセイ同和・石井利宏常務
日本生命の取引先を対象とする市場はまだまだ開拓余地がある。主力の自動車保険は単価下落の影響で伸び悩んだが、このルートによる契約件数は伸長に転じてきている。単価も回復傾向になっているだけに、取り組みを強化していく。