金融庁は二十六日、西京銀行(山口県周南市)、亀有信用金庫(東京都葛飾区)、朝日信用金庫(東京都台東区)の三金融機関に相次いで業務改善命令を発動した。いずれも職員が起こした横領事件に対して管理体制の不備を指摘した。
西京銀の場合、二〇〇三年から〇五年二月の間に同行で起きた預金着服などの不祥事八件のうち、四件について大橋光博頭取ら一部経営陣の判断で、銀行法で義務づけられている監督当局への届け出を怠った。
金融庁は、経営責任の明確化や、取締役会、監査役による経営監視が有効に機能する体制の構築などを指示。六月二十六日までに具体策を盛り込んだ業務改善計画を提出するよう命じた。
これを受け、同行は同日、六月二十八日付で大橋光博頭取(63)と銭谷美幸副頭取(44)が辞任し、後任の頭取に渡辺孝夫相談役(62)を充てる人事を発表した。
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■ユニーク経営で話題に 法令順守の意識に疑問
邦銀初の女性副頭取、ライブドアとのインターネット銀行設立構想-。西京銀行の大橋光博頭取は日銀から転じた後、ユニークな施策を次々と打ち出し、資金量が七千億円に満たない第二地方銀行の知名度を「全国区」に押し上げた。しかし、業界内で「パフォーマンス先行」と批判されるなど、法令順守の意識は乏しかったようだ。
一昨年、大橋頭取は再就職支援会社から銭谷美幸氏を専務として引き抜いた。わずか一年で銀行経営の経験がない同氏を副頭取に抜擢(ばってき)して「次期トップの有力候補」と持ち上げたが、金融庁幹部は「大橋氏の真意が分からない」と顔を曇らせていた。
大橋頭取は「村上ファンド」の村上世彰氏と親交があり、同氏に紹介されたライブドアの堀江貴文社長(当時)と昨年一月にネット銀を共同設立することで合意した。
しかし、ライブドアの証券取引法違反事件で提携関係は解消され、ネット銀構想は幻に終わった。
西京銀の首脳二人は、ライブドア事件の初公判が開かれた二十六日にくしくも引責辞任を発表。大橋頭取は記者会見で「ワンマンで改革を進めざるを得なかった」と肩を落とした。