WSJ-リバティー、「ブレーブス」買収目指すのは節税目的

米メディア投資会社のリバティー・メディア(Nasdaq:LINTA)は、大リーグのアトランタ・ブレーブス買収で合意に近づいているもようだが、その理由はジョン・マローン会長が野球好きなためではない。節税が好きなためだ。

ウォール・ストリート・ジャーナルが3月に報じたとおり、リバティーは保有するタイム・ワーナー(NYSE:TWX)株4%のうちの約63%を、ブレーブスと交換することで交渉している。ブレーブスの価値は約4億6000万ドルと見積もられ、このほかにタイム・ワーナーは約13億8000万ドルの現金をリバティーに譲渡する。事情に詳しい筋によると、交渉は最終段階にあり、向こう数週間以内に発表される可能性があるという。

しかしこれは普通の資産売却とは異なる。通常であれば、ある企業が、保有する別企業の株式を売却し、現金を受け取った場合、約39%の法人所得税が課税される。リバティーは、約18億4000万株相当のタイム・ワーナー株を手放すことになるが、課税を全面的に回避できる仕組みとなるため、6億ドル以上を節税できる。タイム・ワーナーは自社株の一部をリバティーから取り戻すことになるが、ブレーブスの価値上昇に伴う多額の税金支払いは回避できる。

このようなことがなぜ可能なのだろうか。リバティーとタイム・ワーナーの契約は”キャッシュリッチ・スプリットオフ”としてまとめられるからだ。これは比較的新しい種類の取引で、別企業の株主である企業が、現金取引による課税を避けられるような仕組みとなっている。

リバティーが18億4000万ドル相当のタイム・ワーナー株を公開市場で売却した場合、当初の取得時期が20年前で取得コストが低かったため、6億ドルを超える金額を課税される。一方、タイム・ワーナーも、ブレーブスを取得した当初コストが低かったため、売却すれば約1億7000万ドルを課税されることになる。

こうした課税を避けるため、両社は実質的にスワップを行うことになる。両社の交渉について詳しい筋によると、タイム・ワーナーはブレーブスと現金約13億8000万ドルを、新たに設立する完全子会社に移管する。その後、タイム・ワーナーはこの子会社の株式をリバティーに譲渡する。これと引き換えに、リバティーは18億4000万ドル相当のタイム・ワーナー株をタイム・ワーナーに譲渡する。リバティーは最終的に13億8000万ドルの現金を手にするにもかかわらず、両社とも所得税の支払いを回避できる。

ブッシュ大統領が5月17日に署名した新しい税法案に盛り込まれた、あいまいな条項のおかげで、同様な取引を行おうとする企業が今後増えるかもしれない。タイム・ワーナーなどの働きかけで新法に盛り込まれた条項は、こうした節税構造を実質的に成文化するもの。法人税に詳しい弁護士らは、向こう12カ月間で同様な仕組みの契約が増えるとみている。

リバティーとタイム・ワーナーは交渉中であることを確認した。実現には大リーグ機構(MLB)の承認が必要となる。

ブレーブスは、CNN創業者のテッド・ターナー氏が支配する企業をタイム・ワーナーが買収したことにより、同社の傘下に入った。ターナー氏がブレーブスを買収したのは1976年で買収金額は1000万-1200万ドルと推定されている。ターナー氏は最近、タイム・ワーナー取締役の職を退いている。

三井金属がワンサラ鉱山複合体に着手

株式投資ニュース

村上ファンドはグリーンメーラーという批判の声も

Track Back URL: