全日空、ホテル売却検討 全35軒 インターコンチ軸

全日本空輸が、ホテル事業子会社の売却を視野にホテル事業の抜本的な再編を検討していることが三十日、分かった。有力な譲渡先として世界最大級の英国系ホテルチェーン、インターコンチネンタルグループが浮上している。交渉の行方次第で、全日空はホテル事業から撤退する可能性もあり、国際物流など将来性の高い事業に経営資源を集中させたい考えだ。
 全日空は全額出資の全日空ホテルズ&リゾーツ(本社・東京)を通じて国内三十三カ所、海外二カ所でホテルを運営している。国際線の路線増加に連動し、世界規模のホテルチェーンの展開を図った時期もあったが、現在は国内を軸に店舗展開を行っている。ただ、巨大資本の外資系ホテルの日本進出が相次いだことなどから厳しい経営を強いられ、見直しを迫られることになった。
 具体的には、全日空ホテルズ&リゾーツの発行済み株式の過半数を譲渡する方向で、インターコンチネンタルを筆頭に複数のホテルチェーンとの交渉に入っている。世界規模の競争の荒波にもまれる航空業界での「勝ち残り」を目指し、本業以外の事業の整理を進める全日空と、アジアでの事業拡大を模索するインターコンチネンタルの思惑が一致したもようだ。
 交渉がまとまれば、全日空は譲渡を通じて得た資金をM&A(企業の合併・買収)を含む国際物流事業の強化や、これと連動した貨物専用機の調達費用に充てる公算が大きい。「(ホテルの)部分的な売却にとどまる可能性もある」(全日空関係者)一方、ホテル事業全体を譲渡した場合の総額は一千億円規模にのぼるという。
 ライバルの日本航空を追撃するため、全日空は平成二十七年度をメドに貨物事業の売上高を今期末予想の七倍に引き上げる重点経営戦略に乗り出しており、今回のホテル事業の再編はその第一歩となる。
 日本における店舗網の拡充を図りたいインターコンチネンタルにとっても、安定した顧客基盤を持つ全日空グループのホテル店舗網を活用することで、営業基盤の強化に弾みがつきそうだ。
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【用語解説】インターコンチネンタルグループ
 世界100カ国・地域で約3500軒のホテルを展開する世界最大級の英国系ホテルチェーン。積極的な買収を通じて、事業拡大を続けている。日本では「ホリデイ・イン」のブランドで主要都市に展開するほか、東京都港区と横浜市に「インターコンチネンタル」ブランドでも営業している。

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