三菱UFJフィナンシャル・グループは、米国で投資銀行業務を強化する。グループの証券子会社である三菱UFJ証券は22日、米著名投資家ジョゼフ・ペレラ氏が設立する金融サービス会社に115億円(1億ドル)出資・業務提携すると発表した。これにより、今後成長が見込まれる国境を越えたM&Aの助言・仲介業務や自己資金投資などを強化する。
元モルガン・スタンレーの副会長で著名バンカー、ジョゼフ・ペレラ氏が設立する新会社には、三菱UFJ証券の他に10人弱の投資家が出資する予定という。三菱UFJ証券はその一角に入ることで、国境を越えた企業合併・買収(M&A)の仲介など投資銀行業務拡大の足がかりにする。
三菱UFJ証券は、出資金(115億円)を新会社と自己資金投資の両方に拠出する予定だが、その内訳は公表していないという。
業績の回復が顕著になってきた日本企業は、成長路線を軌道に乗せるため米国や欧州の企業を買収するケースが増えている。
トムソンファイナンシャルによると、2005年1─12月期に日本企業による海外企業の買収は約2兆1000億円(約176億ドル)と前年比で2.2倍になり、件数は321件と前年比で約29%増加。今年はすでに東芝が英国原子燃料会社とウェスチングハウスの買収で合意するなど、海外企業を買収する大型案件が目立ってきた。
MUFGにとっては、日本だけでなく国際的に競争力のある金融機関になるために投資銀行業務の強化が急務となっており、今回の新会社への出資を決めた。
メガバンクのなかでは、みずほフィナンシャルグループのみずほ証券が今年2月、ブティック型の米投資銀行エバーコア・パートナーズ(本社ニューヨーク)とクロスボーダーM&Aの仲介業務で提携を開始。証券最大手の野村ホールディングス傘下の野村証券は昨年から、ロスチャイルドと日欧間のM&A仲介業務で提携し実績を積み始めるなど、地理的・人材基盤で弱点となっているエリアを他社との提携で補完する動きが増えている。