WSJ-ボーイング、4-6月期に最大11億ドルの特別費用計上へ

米ボーイング(NYSE:BA)は29日、外国向け偵察機の開発プログラムの遅れと、同社の違法行為についての米政府との暫定和解合意に関連して、4-6月期に最大11億ドルの特別費用を計上すると発表した。

このうち3億-5億ドルは予想外のもので、オーストラリアとトルコ向けの空中偵察機開発が遅れていることに伴うもの。残りの6億1500万ドルは、米空軍の元資材調達担当幹部を違法に雇用したことと、同業ロッキード・マーチン(NYSE:LMT)の秘密資料を不正に入手したことについての、5月に発表した司法省との暫定和解合意の費用。

偵察機の開発は最大18カ月遅れており、防衛関連業界の複雑なプロジェクトの第一人者になるというボーイングの目標にとって痛手となっている。数十億ドル規模の米陸軍次期戦闘システム(FCS)など注目度の高いプロジェクトの受注維持に苦戦しているさなかにこうしたプログラムをやり遂げることは、重要であると同時に厄介な問題でもある。

ジム・マクナーニー氏が約1年前に会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)に就任して以来、多額の特別費用を計上するのは初めてとなる。同氏はアナリスト向け電話説明会で「司法省との間の問題が決着するのは喜ばしい」と述べた。

4-6月期決算は7月26日に発表する予定。和解金は、暫定合意が正式に承認され次第、支払うとしている。また、偵察機開発関連の特別費用の正確な金額は数週間以内に判明する見通しで、契約満了までの期間に分散させて計上する。この偵察機開発プロジェクトは40億ドル規模。同社の昨年通期の純利益は25億7000万ドル、売上高は548億5000万ドルだった。今年通期については、売上高は600億ドル、営業キャッシュフロー(現金収支)は55億ドル以上を見込んでいる。

ボーイングとその主要下請け業者であるノースロップ・グラマン(NYSE:NOC)は当初、偵察機開発が外国向け事業の拡大につながるとして受注を歓迎していたが、このプログラムは両社にとって難問になっている。ボーイングは02年、開発費用の増加に関連して1億ドルの税引き前費用を計上した。ノースロップは、航空機向け電子機器の開発は順調だとしていたが、レーダーの性能改善のための設計変更で、04年に4200万ドルの税引き後費用を計上した。ノースロップの広報担当者は29日、「このプロジェクト関連でボーイングが計上する特別費用はノースロップの財務に影響しない」と述べた。

豪州の「ウエッジテイル」、トルコの「ピース・イーグル」と呼ばれる偵察機プロジェクトは、ボーイングの737型旅客機を改造し、デジタルレーダーと通信機器を搭載するもので、機体はボーイングの米軍向け空中偵察機より小型。豪州向けは6機、トルコ向けは4機を受注した。まず11月に豪州に2機を引き渡す予定だったが、08年にずれ込みそうだ。

豪州の国防相は26日、米ラムズフェルド国防長官への説明で「豪州高官は、ボーイングの進ちょく状況に非常に失望している」と述べた。

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