中国電・Jパワーが新会社 域外で電力販売へ

中国電力と電力卸事業者のJパワー(電源開発)は5月31日、共同出資で電力販売を手掛ける新会社「瀬戸内パワー(仮称)」を設立するなどの共同プロジェクトで合意したと発表した。将来的には、新会社が電力の小売り事業に参入し、他の電力会社の営業エリアに販売することも視野に入れている。
 電力自由化の進展で電力会社と新規参入事業者(PPS)との競争が激化しているが、電力会社同士が競争し、他の電力会社の顧客を奪うケースは、これまでに1例しか出ていない。今回の新会社設立をきっかけに、“電力会社間競争”が活発化する可能性もありそうだ。
 新会社は資本金1億円で両社が50%ずつ出資し、今年8月をめどに設立する。当面は両社から電力を購入し、電力会社やPPSが電力を融通し合っている日本卸電力取引所(JEPX)への卸事業を展開する。
 その上で、数年後に中国電力から発電設備の譲渡を受け、自前の電力を確保。Jパワーからの購入電力と合わせ、一般の利用者向けの小売り事業も展開したい考え。
 中国電力では、「新会社は自立的な成長を目指す。(中国電力の)域内、域外を問わず販売する」としており、他電力との競争も辞さない構えだ。
 新会社は今後の自由化の進展をにらみ、電力会社本体では難しい自由な営業活動を展開するための“布石”とみられる。
 このほか、共同プロジェクトでは、石炭をガス化し発電する技術の実用化でも協力する。ガス化は発電効率を向上させると同時に、二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に削減できる技術として注目されている。
 両社は、中国電力がJパワーの大口顧客となっているほか、共に石炭火力発電の比率が高いことなどから親密な関係にあった。
 今回、石炭ガス化技術での協力を話し合う中で、新会社設立を含む共同プロジェクトへと発展したという。
 電力会社間競争は、昨年11月に九州電力が中国電力の営業エリア内の大手スーパーに電力の販売を開始した事例があるだけ。各社とも、「自社エリア内のPPSとの競争に勝つことが重要」と、他電力との競争には消極的だった。
 ただ、電力各社は相次いで料金引き下げを実施するなど、他電力の料金水準を強く意識しており、電力間競争は、“潜在的な脅威”と受け止められている。
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【用語解説】電力小売りの自由化
 日本の電気料金が国際的に割高であるとの批判を受け、新規参入事業者との競争を促し、料金の引き下げにつなげることを目的に、2000年3月から開始された。新規事業者が販売できる対象は、大口利用者から段階的に拡大され、現在は全体の60%以上が自由化対象になっている。
 一般家庭などの小口利用者についても、来年4月から自由化の是非についての議論が始まる予定。電力会社は、自由化以降、度重なる料金値下げを実施している。

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