台湾・雪山トンネルあす開通 アジア最長、大きな期待 大台北圏に経済効果
台湾の台北市と東部の宜蘭(ぎらん)市を結ぶ「北宜高速道路」の雪山トンネル(全長12・9キロ)が16日、正式開通する。道路トンネルとしては関越自動車道の「関越トンネル(同上り11・1キロ)」を抜いてアジア最長。台湾北部の東西の経済圏を30分で結ぶ大動脈として今後、通勤圏や産業基地の拡大など、幅広い経済波及効果が期待されている。
台北-宜蘭間はこれまで一般道で約2時間かかり、陸上輸送問題が台湾東部の産業発展の足かせだった。だが、1988年に総統に就任した李登輝氏の旗振りで高速道路の建設計画が始まり、91年に悲願の「雪山トンネル」に着工していた。
ところが、硬い岩盤や地下水の湧出(ゆうしゅつ)に阻まれて工事は難航を極め、13回ものトンネルボーリングマシン(TBM=掘削装置)災害などトラブルが続出。外国人労働者を含む計25人が犠牲になるなど、99年の完成予定は遅れに遅れていた。
ただ、IT(情報技術)バブル崩壊後の不況から立ち直った2004年ごろから状況は一転し、新たな台北の通勤圏として期待される宜蘭地区の不動産への投資が活発化。インターチェンジ周辺では地価が数年間で平均20~30%、新興住宅地として有望視される地域は最大で50%も急騰し、早期開通に関心が集まった。
開通後の人口増加を見越して仏系大手スーパーの家楽福(カルフール)が宜蘭への年内進出を計画しているほか、産業界も物流拠点として注目し始めた。また宜蘭県当局は、高速道路近くにハイテク産業パークの建設も決めている。呂国華・宜蘭県長(知事)は「台湾北部経済の一体化が生む『大台北共同生活圏』を作りたい」と話すなど、期待は膨らむ一方だ。
台湾当局では、今回の開通を契機に、台北から「雪山トンネル」を抜けて東部の主要都市である花蓮、台東に連結させ、西部の屏東県を経由して台湾第2の都市、高雄につながる「台湾一周」の環状高速道路の建設に弾みをつけたい考えだ。