米メディア大手トリビューン(NYSE:TRB)の第2位の株主であるチャンドラー一族は、数カ月に及ぶ同社取締役会内部の対立を経て、経営陣を公然と批判したり同社の分割または身売りを迫ったりして同社への圧力を次第に強め、全面対決の様相を呈してきた。
チャンドラー一族は、トリビューン取締役会にあてた書簡で、2週間前に明らかになった約20億ドル相当の自社株買い計画を激しく非難し、「同社の戦略の誤りが悲惨な結果を招いている」とした。同一族は、トリビューンが2000年にタイムズミラーを買収するまで、タイムズミラーの経営権を握っていた。トリビューンの取締役会に「戦略上のほかの選択肢」を検討するよう求めており、年内に分割できない場合は身売りするよう迫っている。
さらに同一族は、委任状争奪戦を仕掛けることもちらつかせており、「時宜を得た行動をとらない場合は、株主価値を高めるために、ほかの株主や第三者と協力して、トリビューンの経営陣刷新などを積極的に求めていく」とした。
同一族はトリビューン株12%を保有しており、取締役11人のうち3人を送り込んでいる。この書簡で同一族は、大胆かつリスクを伴う主張をしており、トリビューンの戦略さらには経営陣の抜本的な見直しを迫る戦いへの支持を勝ち取ろうとしている。この決意が真剣であることを示すために同一族は、売上高、利益、株価動向などのデータを引用してトリビューンが同業他社に後れをとっているとの見方を裏付けつつ、トリビューン改革構想の詳細を説明した。
ただ、ほかの株主が支持しなければ、チャンドラー一族は壁に突き当たることになる。今のところ、同一族の主張への支持を表明した株主はほとんどいない。トリビューン株の14日終値は前日比0.89ドル(2.87%)高の31.94ドルとなったが、同社が進めている自社株公開買い付けの株価レンジの上限である32.50ドルをまだ下回っている。
トリビューンは傘下にテレビ局26社と多くの新聞社を抱え、「シカゴ・トリビューン」や「ロサンゼルス・タイムズ」などを発行している。
トリビューンは14日夜、チャンドラー一族からの書簡への返答として、筆頭社外取締役のウィリアム・オズボーン氏からの声明を発表した。これによると、同社取締役会は自社株買いの前に同一族からの提案について検討したが、経営陣や外部の顧問のアドバイスを受けた結果、自社株買いがすべての株主の利益を最大化するとの点で、同一族以外の全員の意見が一致したという。オズボーン氏は、シカゴに拠点を置く銀行持ち株会社ノーザン・トラスト(Nasdaq:NTRS)の会長兼最高経営責任者(CEO)。