ダイエット食品の配達やカウンセリングなどの減量サービスを手掛ける米ニュートリシステム(Nasdaq:NTRI)は、利益の急拡大ととに株価も急騰した。問題は、今後調整があった場合、急激なものとなるか、それとも小幅なものにとどまるかだ。
マイケル・ヘーガン氏ら投資家が2002年12月にニュートリシステムの株式59%をわずか1株62セントで取得して以来、同社の業績は大きく回復した。株式取得から1年後、会長兼最高経営責任者(CEO)に就任したヘーガン氏は、スタッフを集め、改造したメニューを打ち出した。低カロリーの食事を月額300ドル以下で顧客の自宅に直接届けている同社は、ダイエットに成功し、満足した顧客の話を前面に押し出した活字・テレビ広告を大々的に展開した。
こうした戦略の効果は、ダイエット製品の宣伝でよくある「ダイエット前」、「ダイエット後」の写真と同様、目覚ましいものだった。同社が昨年獲得した新規顧客は34万7000人に上り、その前の年の5万2000人を大きく上回った。昨年の売上高は2億1200万ドル強と、前年比で5倍以上に拡大。利益は2100万ドル強と、前年の100万ドル強から大きく膨らんだ。
同社株は2005年の1年間で1164%上昇。米株式市場が今年の高値をつけた5月10日以降、同社株は20%程度下げているが、それでも年初から60%以上上げている。14日終値は前日比2.72ドル高の59.58ドル。時価総額は20億ドルを超えている。
同社株は割高な水準にある。今年の予想1株利益ベースで株価収益率は31倍。同社より成長の低いウエート・ウォッチャー・インターナショナル(NYSE:WTW)の19倍をかなり上回っており、S&P500種を構成する主要企業500社の平均の2倍近い。
期待を裏切るニュースには、小さなものでも市場は敏感に反応するようになっている。10-12月期の利益は予想を下回る見込みと2月に発表した際、同社株は1日で17%下落した。また、同社株の下落を見越している空売り筋が多いほか、過去1年間で内部者は保有株を減らしている。
投資家の導き出した結論は、高成長はまだしばらく続く見込みではあるものの、それはすでに今日の株価に反映されている、といったものだ。
ニュートリシステムは今年の売上高が前年比で少なくとも倍増すると予想している。同社は4月、06年の1株利益は前年比で少なくとも3倍拡大するとの見通しを示した。
アナリストらは、こうした高成長は可能とみている。米食品医薬品局(FDA)が資金を拠出してまとめられた調査によると、米国では60%以上が太り過ぎとされる。
リーマン・ブラザーズのシニアアナリスト、マイケル・ラッサー氏は「持続可能な成長に向けて、良い位置につけている」と指摘。投資判断はリーマンでは最上級の「1-オーバーウエート」としている。
キャピタルQによると、ニュートリシステムをカバーしているアナリスト10人のうち9人は、同社の投資判断を「バイ」かそれに相当するものにしている。女性顧客をさらに加えることに加え、男性や高齢者にも顧客層を広げることにより、高成長を持続できるとアナリストらは予想する。
マーケティング費用は2004年の750万ドルから、2005年には4780万ドルに急増したものの、新規顧客を1人獲得するための広告支出は減少しており、顧客1人当たりの収入は増加している。
ヘーガン氏はインタビューで、ニュートリシステムは小売業者を通じて販売する製品を試験しているほか、海外への事業拡大、”ウェルネス”市場への参入などを検討していると話した。「われわれはまだ、顧客成長サイクルの初期にあると考えている」とした。