挙進展も対米関係影響か
イタル・タス通信などによると、プーチン大統領は「ガスプロムは参加の準備ができている。計画は収益も十分見込めるものだ」と述べ、計画への参加に強い意欲を示した。実現すれば、需要が急速に増大する南アジアのガス市場に本格参入することになる。
パイプライン建設計画はインドのガス需要増加と、印パ関係の改善を受けここ数年で実現に向け急ピッチで進んでいたが、イランへの圧力を強める米国が阻止に向け揺さぶりをかけていた。今年3月の米印首脳会談で合意した対印原子力技術供与には、建設を断念する条件がつけられていたとの観測も出ていた。
さらにイランの核開発疑惑をめぐる制裁論議が活発化する中で、計画は停滞していた。
「資金力が高く、パイプライン建設技術もある」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング・堀江正人研究員)といわれるガスプロムの参加が決まれば、計画が実現に向け大きく前進するのは確実だ。
エネルギー確保が急務のインドは、すでにサハリン沖の油田開発計画に出資するなどエネルギー分野でロシアとの関係を強化しており、ロシアが建設計画への参加に強い意欲を示したことで、パキスタン、イランにガスプロムの参加受け入れを働きかけるとみられる。
ロシアは今年5月、欧州向け天然ガスを外交の武器に使っているとして米国から激しい批判を受けたことを契機に、米国との対決姿勢を強めている。ロシアの同計画への参加は、今後の米露関係にも影響を与えそうだ。