野村がキャラバン隊第2弾を海外に派遣、日本企業の競争力に照準
野村証券が再び、海外の機関投資家を対象に大規模な日本株営業を展開する。今月22日から、昨年9月に復活させた「キャラバン隊」の第2弾を派遣し欧米、アジアと中東の機関投資家を訪問。日本企業の成長性の高さと国際的な競争力に着目した選別的投資を考える時期に入ったことを訴える。おりしも相場は今年の最高値から大幅に調整したこともあり、機関投資家営業で大手の野村の動きは市場の注目を集めそうだ。
野村証券は今回のキャラバン第2弾を「野村日本株再評価セミナー(日本企業の強さ・グローバル競争力を見直す)」と題し、今月22日の東京とロンドンを皮切りに7月中旬までに、パリ、フランクフルト、ニューヨークなど合計17都市を訪問する。ストラテジスト、アナリストら約20人で構成されるキャラバンが動員する機関投資家の数は、海外を主体に延べ約1000人と、昨年と同じ規模になる見込みだ。
昨年9月に野村証券は、80年代のバブル期に海外投資家のマネーを日本株に取り込むために結成した「キャラバン隊」を復活させ、デフレ脱却、景気回復というマクロ環境の好調さや株式相場の需給面などからみて、日本株が本格的な右肩上がりの上昇トレンドに入ったとのメッセージを海外の投資家に伝えた。
今回のキャラバン第2弾のミッションについて、野村ホールディングスグローバル・エクイティ担当の山崎啓正執行役は「前回のキャラバンの検証に加え、今後は何を基準に日本への投資を考えるべきかを伝えたい」と語る。「これからは成長性に重きを置き、選別的な投資をするマーケットになったことを話したい」と述べ、日本全体をマクロの観点から買う時期から、成長性が高く、強い企業への選別が重視されるフェーズに入ったことを強調した。
ただ、世界的な株式相場の調整を背景に、日本の相場も4月以降は日経平均株価が約20%下落。5月は外国人投資家が日本株を売り越したほか、国内の個人投資家など足の短い投資家の売りで下げ足を速めた。
しかし、山崎執行役は「株式相場の調整と日本経済のファンダメンタルズはあまり関係ない」とみる。むしろ、背景にあるファンダメンタルの強さや金利の先行き、マーケットの流動性など需給環境を幅広く検証すると日本のマーケットは最も良好で「グローバルにマーケットが調整するなら、日本株におカネが流れてくることは十分にある」と語った。
昨年の日本株は、国内の個人投資家と外国人投資家が上昇トレンドを形成した主役だった。東京証券取引所によると2005年(年間)の外国人投資家の買い越し額は10兆3218億円と過去最高を記録した(これまでの過去最高額は99年の9兆1277億円)。
こうした海外勢の日本株買いには、原油高を背景とした中東のオイルマネーの流入もあったとされ、野村証券ではこうした中東の投資家のマネーは今年半ばあたりから本格的に入ってくる可能性があるとの考えを示していた。
このところ中東でも株価は大幅に調整し、サウジアラビアでは主要株価指数が今年2月につけた最高値から約40%下落したが、高止まりしている原油価格を背景に中東の投資家の資金は潤沢とみられ「日本のクオリティー(質)が認められれば真っ先におカネが入ってきても何らおかしくはない」(山崎執行役)という。
最近の野村証券の顧客動向でみると「海外投資家のおカネがどんどん(日本国外に)流れ出しているようには見えない」という。一方で今月14日に日経平均が一時600円安を記録した前後でも、国内の機関投資家は買いに動いており、相場の底堅さを確認する環境になったとみている。