WSJ-米デルタ航空、パイロット年金基金の終了に向けた手続きを開始
経営再建中の米航空3位デルタ航空(DALRQ)は、パイロット年金基金の終了に向けた手続きを開始したと発表した。この措置は来年、破産裁判所の保護から脱却し会社更生を果たす上で不可欠、と同航空ではしていた。
デルタ航空は昨晩、年金支払い保証事業を行う連邦年金給付保証公社(PBGC)に、9月2日付で年金基金を終了するという正式な通知を送付したとみられる。この届け出は、デルタ航空と全米定期航空操縦士協会(ALPA)が先月、労使交渉をまとめてから予想されていたものだ。PBGCは連邦政府の保険機関で、現役、退職パイロット1万3000人以上にも年金給付を実施している。
デルタの破産事件を管轄している破産裁判所が承認した場合、債務の実施はPBGCに移される。PBGCの赤字は既に230億ドルに達している。デルタもこの点で、USエアウェイズ・グループ(NYSE:LCC)と米UAL(Nasdaq:UAUA)傘下ユナイテッド航空の後を追うことになる。両航空会社は破産を使って従業員に対する債務を削った。
デルタ航空幹部は、パイロット年金基金の終了で、もう一つの年金基金救済の緊急性が一段と重要になったと話した。この基金は客室乗務員や地上職員を対象にした年金基金だ。デルタ航空幹部は、先週議員に送った書簡で、航空会社に年金の支払いに時間的余裕を与える法案が早く通過させられなければ、この年金基金も終了させなくてはならなくなると嘆願した。
デルタ航空は、パイロット年金基金の終了は、同航空の生き残りにとって重要だとしている。この基金を終了できない場合、いわゆる「流動性不足問題」が解決されてしまうため、年金の一時払いを求めるパイロットの早期退職ラッシュが起きると懸念されていた。デルタ航空幹部はパイロットが1000人退職するのではないかと懸念していた。(年金基金は流動資産が基準に至らず流動性が不足している場合、一時払いが法により禁じられている。デルタのパイロットはこのため一時払いが受けられなくなっている。ところが、7月になると基金財務の改善でこの流動性不足が解決され、再び一時払いができるようになると見込まれている)。
このデルタ航空パイロット年金基金が停止された場合、PBGCは、デルタ航空の資料をもとにすると、60歳で退職する人の場合、年間給付額は13%削減されると説明した。53歳で退職する人の場合の削減率は24%になるという。
このデルタ航空パイロット年金基金の資産は18億9000万ドルだが、負債の54%をまかなえるに過ぎないという。デルタのパイロット組合はコメントを差し控えた。