石油元売り最大手の新日本石油と6位のジャパンエナジーは20日、石油精製や物流、資源開発など広範囲な分野で業務提携することで合意したと発表した。原油価格の高騰でガソリンなど石油製品の採算が悪化する中、提携を通じてコスト削減を図り、競争力を強化するのが狙い。元売り各社は、物流や製品供給などで個別に提携しているが、包括的な提携は初めてのケースとなる。
同日記者会見した新日石の西尾進路社長は、「原油高や石油需要の減退が進む中、企業グループの枠を超えて戦略的に提携し、持続的な成長への基盤を盤石にする必要がある」と、狙いを説明した。提携するのは、(1)資源開発などの上流(2)石油精製(3)物流(4)燃料電池(5)技術開発の5分野。それぞれの特約店のガソリンスタンドが行っている販売分野では提携しない。
柱は精製分野で、両社は岡山県倉敷市の水島石油コンビナート内に製油所があり、両製油所の一体化を図る。これまでも海底パイプラインで両製油所を結び製品を相互に供給するなど協力関係にあり、今回の包括提携の契機にもなった。
具体的には、設備の相互利用や新規設備の共同建設、原油運搬の共同化などを進める。新日石の水島製油所は石油化学製品の製造能力が高い一方で、ジャパンエナジーは重質の原油からガソリンなどの軽質油を精製する能力に優れており、それぞれの得意分野に製造を集約していくことも検討する。
上流分野で、油田開発や権益買収などの共同化や技術者の相互派遣を実施。物流分野では製品の交換や融通の拡大、共同輸送のほか、製品の貯蔵設備の整理・統合も検討。技術開発分野では、特許を相互に開放するクロスライセンス契約を結ぶ。