日産自動車のカルロス・ゴーン社長は27日、横浜市西区のパシフィコ横浜で開かれた株主総会で、当初84万6000台と見込んでいた2006年度の国内販売台数を実質下方修正した。
国内の新車市場は原油の高騰などを理由に、軽自動車が好調な半面、登録車の売れ行きがよくない“軽高登低”の状況が続いている。
登録車を生産し、軽はスズキと三菱自動車からのOEM(相手ブランドによる生産)に頼る日産にとっては、こうした市場動向は「ハンディ」(ゴーン社長)。「軽メーカーはフル稼働の生産を続け、OEMよりも自社供給を優先させている」(同)からだ。
数少ない好調な車種がスズキからOEM供給を受け、2月から発売した「モコ」。本来であればもっと売れるはずなのに、“玉不足”によって需要に追いつかない。そんなお家事情がかいま見られる。
06年度の国内計画は、前年度比0・5%増の84万6000台。しかし、株主総会では「80万~84万6000万台を狙う」とトーンダウン。総会後のインタビューでも「計画超えよりも80万に近づく可能性が高い」と事実上の下方修正を認めた。
こうした市場環境は、08年以降に実行するかどうかを検討している、高級車「インフィニティ」の国内投入計画にも影響を及ぼしかねない。
インフィニティは、各車種の中でとくに利益率が高くゴーン社長は「大切な資産」と位置づける。現在は北米などで販売。今秋からはロシアと中国で順次展開し、08年からは欧州で販売する。だが、日本については「100%成功するという安全が担保されていない」との見解を27日に示し、大幅に後退した印象が強い。
主戦場の米国も苦戦。持続的な成長路線にかげりが生じたとの見方も出てきた。ゴーン社長も「確かに『ゴーンマジックは通用しない』といった否定的な報道が目立つ」と認める。だが、それは9月まで。「10月以降は米国を中心とした新車投入効果で、肯定的な報道へと変わるはず」と反論する。
07年度までの経営計画「バリューアップ」で掲げた世界販売台数のコミットメント(必達目標)は420万台。その道筋が明確になるかどうかは、今秋以降の戦略が大きく左右する。