武田薬に追徴課税570億円 米合弁取引 「納得しがたい」争う方針
武田薬品工業は28日、米国にある合弁会社との薬品取引で、大阪国税局から1223億円の申告漏れを指摘され、570億円(うち地方税180億円)の追徴課税通知書を受け取ったと発表した。
大阪市中央区の本社で記者会見した吉田豊次取締役は、「ビジネスの実態を踏まえずに今回の処置がなされたことは、とうてい納得しがたい」と述べ、全面的に争う方針を表明した。
今後、異議申し立てを行い認められない場合は国税不服審判所に審査請求するほか、税務訴訟も検討する。追徴金は支払うが、決算上は長期仮払い税金として計上するので業績には影響しないという。
海外の関係会社との取引に絡み、本来は日本で申告するべき所得を申告しなかったとして、同国税局から「移転価格税制」の適用を受けたとみられるが、1000億円を超える申告漏れ額は86年に同制度導入以来最高額になるもようだ。
今回の処分は、同社と米製薬大手のアボット・ラボラトリーズとの合弁会社、TAPファーマシューティカル・プロダクツ社(イリノイ州レイクフォレスト)との間の2000年3月期から05年3月期までの6年間の製品取引価格が低いと同国税局が判断。対象製品は、消化器系の抗潰瘍(かいよう)薬「プレバシッド(日本名タケプロン)」で、同期間のTAP社の販売額は1兆7278億円。
武田薬品では、(1)TAP社に所得を移転する意図が全くない(2)アボット社の同意なしに取引価格を決定できず、同税制が適用されるべきでない(3)利益配分は適正、という3つの点で反論している。
アボットからは同社が逆に過大な利益を得ているとの訴訟を受け、今年2月にシカゴの米国連邦地裁が却下したという。
武田薬品は、29日に開催する定時株主総会で、長谷川閑史社長が処分の取り消しを求める方針を株主に説明する予定だ。