福井俊彦日銀総裁の村上ファンド出資問題をめぐり、衆院財務金融委員会でいったん合意した宮内義彦オリックス会長の参考人招致が見送られたことが29日、明らかになった。
関係者によると、28日の自民、民主両党の同委筆頭理事が「7月7日招致」で合意し、宮内氏も応諾したという。その後、自民党内で改めて協議した結果、一転して招致を断念した。
世論が日銀総裁問題に厳しい視線を送るなか、同党の対応は批判を浴びそうだ。
同党が招致見送りを決めた理由は明らかでないが、関係者は「執行部から国対レベルに圧力が掛けられた可能性」を指摘している。宮内氏招致が実現すれば、福井総裁の進退問題に影響を及ぼしかねないと判断した可能性が強い。
オリックスは今年3月末時点で村上ファンドに約200億円を運用委託。宮内、福井両氏は親交が深く、ともに村上ファンドを支援していた。
福井総裁が村上ファンド向けに拠出した1000万円は、オリックスが幹事役(業務執行組合員)を務める「アクティビスト小投資事業組合」が受け皿となった。そこから「統合アクティビスト投資事業組合」を経て「MACジャパン・アクティブ・シェアホルダー・ファンド」に入り、村上世彰被告が標的とした株式の購入に充てられた。
投資事業組合方式は資金の流れを複雑にするが、投資家には匿名性を保てる利点がある。福井総裁以外の村上ファンド出資者もそれぞれ業務執行組合員であるオリックスと契約した上で、同様の方式で資金運用していたとみられる。
これについて、福井総裁は「運用指図を一切していないし、どういう銘柄の取引かも分からない。そういう点で一般の株式投信と変わらない」と説明。また、「村上ファンドに関する件で、(宮内会長とは)一回も話をしたことはない」と明言している。