ネット専業最大手のイー・トレード証券は、具体的な社名をあげて、自社と競合他社との株式取引手数料の違いを顧客に示す比較広告をホームページに常設した。さまざまな商品・サービスを対象としてネット上で価格比較サイトを運営する事業者はあるが、証券会社自らがライバル会社名をあげて取引手数料の比較広告に乗り出すのは初めて。顧客の反応によっては、ネット証券の価格競争に波紋を呼びそうだ。
比較広告では、ネット証券の基本サービスである株式売買が成立した取引(約定)の各注文当たりの手数料と、1日の取引金額当たりの手数料を取り上げた。
各注文当たりの料金では、楽天証券と野村ホールディングスのネット子会社、ジョインベスト証券の2社、1日当たりの取引料金では松井証券、楽天証券、ジョインベスト証券の3社をそれぞれ競合の比較対象とした。
料金比較は、単純に各社の異なる料金プランを並記して取り上げるのではなく、顧客が一目で比較できるように、同じ取引条件にそろえた比較表を独自に作成。各社の割引キャンペーンなども加味し、その時々の実際の取引料金を比較できる内容とした。イー・トレードは、業界最低の取引手数料を経営の約束事項として宣言し、価格競争力で市場シェアを拡大してきた。今回の比較広告は、最低料金宣言の実行を顧客に明らかにし、業界内の価格リーダーであることを市場に示す狙いがある。
一方、最近は厳しい価格競争から、料金見直しやさまざまな条件を設定した割引キャンペーンを各社が頻繁に実施し、最低水準手数料の宣伝が乱立。投資初心者には実際の料金比較が困難で、分かりやすい情報開示がネット証券各社の重要な説明責任になっているという側面もある。